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『死霊館 エンフィールド事件』はホラーの枠を超える傑作だーー天才監督ジェイムズ・ワンの演出手腕

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【リアルサウンドより】

 アメリカ映画界で「ホラーマスター」の異名をとるジェイムズ・ワン。近年では『ワイルド・スピード SKY MISSION』を記録的メガヒットに導き、DCコミック原作映画『アクアマン』を手がける、エンターテインメント分野において確固たる地位を築いている映画監督だが、そのなかでも彼がとりわけ才能を発揮するのは、やはりホラー分野においてだろう。密室スリラー『ソウ』の監督や同シリーズの製作で脚光を浴び、映画監督としてはまだ若手の部類に入るが、『インシディアス』シリーズや『死霊館』などで他を寄せ付けないほどの凄まじい演出力と、圧倒的な風格すら発揮しているワン監督は、天才と呼べる数少ない映画監督の一人だ。

 彼をいまの位置に押し上げた代表的作品として、やはり傑作ホラー『インシディアス』を挙げなければならない。ライティングや編集を駆使することによって、同じ屋内セットを使いながら、生きる者の世界と死者の世界の違いを見事に表現した創造力や手腕はただごとではない。日本的な陰湿的恐怖表現によってこれまで世界のホラー映画界を席巻していた「Jホラー」が落ち着きを見せ、ホラー映画の表現が停滞していた時期に、血しぶきなど従来のアメリカ的なスプラッター表現に頼ることもせず、本格的なサスペンス演出と前衛表現を組み合わせた、この一作によって彼は一気に、現代のホラー映画の代表的存在として躍り出たといえるだろう。

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