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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第1回 平井一夫氏(ソニー代表執行役社長兼CEO)後編

1万人削減、分社化断行…ソニー平井社長が激白、経営危機から完全復活への全真相

構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
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平井 最初はやはり、抵抗があったと思うんですが、ソニーグループ全体で見ますと、実は映画、音楽、ゲーム、モバイル、金融などの事業は、みんな独立した会社なんですよね。別に珍しいことじゃないんです。

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片山 エレキ、エンタテインメント、金融などコングロマリット化したソニーをマネジメントするうえで、もっとも重要なことはなんですか。

平井 同じ方向を向いたマネジメントチームですね。第二次中期経営計画になってからは、全員、私が任命したマネジメントになりました。同じ方向を向いていることを、何回も議論しながら確認して、意思統一しながらやってきました。

片山 振り返ってみると、13年末、ソネットにいた吉田さんをマネジメントチームに引き入れ、翌14年4月に代表執行役CFOに起用された。これが、大ヒット。ソニー再生のうえで、大変大きかったのではないですか。

平井 吉田とは、以前から面識があったのですが、年に一度くらい飲み会や飛行機のなかで顔を合わせる程度でした。引き込むのに時間はかかってしまいましたが、いろいろ議論をしたり、ソニーグループ全体に対するアドバイスを聞いたりして人間関係をつくっていきました。

 吉田に私が言ったのは、「平井が言ったからではなく『CFOとして正しいこと』をやって」ということです。それから「間違っているなら指摘してほしい」と言った。私はなんでも「そうですね」と言われると心配になるタチなので、「どんどん違うことを言ってください」と、何回も言いました。

 吉田もだんだんわかってくれて、この点は私も同じですが、「ソニーに恩返しをするんだ」と、マネジメントチームに賛同してくれた。構造改革や15年に行った公募増資のアドバイスなど、すごく貢献してくれています。

 ヘルシー(健全)だと思うのは、吉田は「やめるべきだ」と思えば言ってくれますし、それに対して私は「いや、これは吉田さんがそう思ってもやめないですから、よろしくお願いします」というような議論をよくするんです。

片山 分社に関するマネジメントはどうしているのですか。

平井 たとえばテレビなら、デザインなどに意見も言いますので、事業運営会議を月一程度で行います。分社のトップと、ワン・トゥ・ワンで話す機会も月に一度か二度、設けていますし、各事業の社長やトップが一堂に会して議論する場も設けています。

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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