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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第1回 平井一夫氏(ソニー代表執行役社長兼CEO)後編

1万人削減、分社化断行…ソニー平井社長が激白、経営危機から完全復活への全真相

構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
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平井 時代が、それを必要としていると思います。AI(人工知能)・ロボティクスがいい例で、ひとつの事業だけではできない。いろんな事業のノウハウやモノづくり、考え方、北野(宏明/ソニーコンピュータサイエンス研究所社長)のところのAIや外部とのコンタクトなど、ありとあらゆるものを駆使しなきゃいけない。ですから、「やろう」と旗を揚げたときには、おのずからいろんなところの人たちが議論をして決めました。(注・ソニーコンピュータサイエンス研究所=1988年設立。東京、パリに拠点を構える。世界中から集まった研究者たちが、AI、生物、環境、エネルギーなどをテーマに個人として自由に研究活動を行っている)

人間商売

片山 今年5月には、米国のAI有力ベンチャー、コジタイに出資、提携しましたね。6月末の経営方針説明会では、「ロボット再参入」が話題になりました。私はこれは、ソニーがようやく現行のビジネスの立て直しのメドが立ち、成長への投資を本格化することの象徴だと受け止めました。

平井 ロボティクスについても、家庭向けだけでなく、製造工程や物流への利用など、広範な領域での事業展開も検討しています。

 Life Space UX、SAP(Seed Acceleration Program)など新規事業を育てる分野においても、事業部があるわけではなく、いろいろな事業部の人が寄り集まってやっています。事業横断的に一緒にやらないとうまく回らないことは、今の商品群ではたくさんあります。

片山 平井さんは、「対話」すなわちコミュニケーションをすごく大事にされる。それが、求心力の源泉になったように思います。

平井 「対話」は大事にしています。現場に行くのも好きです。だいたい月一のペースで、現場のマネジメントに近い人たちを4~5人集めて、お弁当を食べながら、課題や会社の問題、社長に言っておきたいことなどを話してもらい、議論する場を設けています。

 これは、SCEI時代もやっていたんですが、最初はみんな「怒られる」と思って、言いたいことを言わないんです。でも、私は怒らないし、「グッドポイントだ」という反応で会話を盛り上げていくと、ミーティングの印象もよくなって、そのウワサが広がります。最近は、「これは直してくれないと困ります」みたいな話も出てくるようになった。すごく刺激になりますね。

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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