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セブン&アイの「深刻な難題」ニッセン、債務超過寸前で解体が現実味…買収は完全に失敗

文=編集部

 今年1月発行分から主力のカタログを刷新した。これまで低価格商品を売りとしてきたが、より利幅の大きい高付加価値の品揃えを増やした。だが、カタログを刷新した効果は数字には見えてこない。

 ニッセンHDの主要事業会社であるニッセンの売り上げは、16年5月まで16カ月連続でマイナスを記録した。底なし沼にはまった状態だ。

【ニッセンの売上高の対前年同月比増減率】(単位%)

16年1月 ▲33.6
2月 ▲42.0
3月 ▲51.4
4月 ▲35.5
5月 ▲40.8
(資料:ニッセンHDの月次売上概況のうち事業会社ニッセンの分。▲印はマイナス)

ニッセンHDは完全子会社にして解体か

 井阪氏は記者会見を開き「グループの具体的戦略を策定するため、100日を目安に重点課題を洗い出す」と述べ、グループの新たな構造改革案を早期に打ち出す方針を明らかにした。

 井阪氏は持ち株会社のトップとして150の事業会社を束ねる。8月末から9月初旬をメドに「グループの成長戦略と構造改革を練り上げて公表する」という。焦点は業績不振のグループ企業の抜本的なリストラ策だ。

「物言う株主」の米投資ファンド、サード・ポイントは今年3月、イトーヨーカ堂、そごう・西武の事業縮小やグループからの切り離しを求めた。この要求に対する回答が構造改革案で示されることになるのか。

 ニッセンHDには踏み込んだリストラが実行される可能性が高い。ニッセンHDが債務超過になれば、それを解消するためにセブン&アイHDが増資を引き受けるしかないが、増資を引き受けるためには経営再建のメドを立てなければならない。

 一気にニッセンHDの幕引きを図ることも十分あり得る。その場合のウルトラCは、セブン&アイHDが株式公開買い付けを行い、完全子会社にすることだ。そしてカタログ通販をやめ、ニッセンの解体を進めるというのが現実的な方策だろう。

 ニッセンHDの株価は16年上半期(1~6月)に182円(15年12月30日)から88円(16年6月30日)へと下げた。下落率は51.6%で、東証1部でワースト11である。

ニッセンHDがセブン-イレブンと共同販促

 7月15日からニッセンHDはセブン-イレブンと共同販促を始めた。セブン-イレブンの店頭で販促の対象となる飲料を買うとニッセンのインターネット通販で割引が受けられる。ニッセンの通販で買い物をするとセブン-イレブンで使える飲料の無料引換券がもらえる。

 新規客の獲得につなげたいとしているが、セブン-イレブン側に腰が入っていない。焼け石に水の効果しかないだろう。

BusinessJournal編集部

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