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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

朝日新聞、「海外STAP細胞論文発表」記事の掲載を一旦拒否…何度も執筆者に修正要求

文=湯之上隆/微細加工研究所所長

朝日新聞WEBRONZAへの寄稿

 私は、7つの媒体で記事を書いている。そのひとつに、朝日新聞の「WEBRONZA(以下、RONZA)」がある。RONZAもかつては大騒ぎしたが、その後はほとんどSTAP細胞を取り上げない「不自然な」サイトのひとつである。

 そこで私はひとつの決意のもと、「米国とドイツでSTAP細胞関連の論文発表 不都合な事実を無視するマスメディア」と題する記事を寄稿してみた。なお、本サイトは有料で、無料で読めるのは記事の3分の1程度である(無料の1/3部分だけを読んで、私を非難する輩が相次いだが、非難するなら最後まで読んでからにしろと言いたい)。

 記事では、まず「STAP」または「小保方」の言葉が使われている記事がRONZA全体で125件あることを調べ上げ、月毎の記事数をグラフ化した(図1)。この図から、STAP関連記事は、狂騒、終焉、復活の3つの時期に分けられるとした。

朝日新聞、「海外STAP細胞論文発表」記事の掲載を一旦拒否…何度も執筆者に修正要求の画像2

【2014年1~9月:「狂騒」期】

 まず小保方氏らが英科学誌「ネイチャー」に論文を発表し、そこにコピペやデータ改ざんの疑いがかけられ、「STAP細胞は本当にあるのか?」という議論が連日、メディアを賑わした。RONZAでは、小保方氏が「STAP細胞はあります!」と発言した4月の記事が18件と最高件数を記録した。

 その後、ネイチャーによる小保方氏らの論文撤回があり、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井副センター長が自殺した8月には、STAP記事は12件となり第2のピークを記録した。

【14年10月~15年10月:「終焉」期】

 14年11月、理研による検証実験でSTAP細胞は再現できず、理研はES細胞が混入したと結論付け、小保方氏は12月に理研に辞表を提出した。

 そして15年1月、小保方氏がES細胞の窃盗容疑で刑事告発され、翌月に理研が小保方氏を「懲戒解雇相当」と発表し、毎日新聞記者の須田桃子氏が『捏造の科学者 STAP細胞事件』(文藝春秋)を出版すると、STAP記事は2月に12件のピークを記録した。その後、STAP記事の数は、多少の乱高下はあるものの下火になっていった。

 こうして「STAP細胞はなかった」「小保方氏が不正を行った」と決着がつき、小保方氏には研究者失格の烙印が押され、科学の世界からはじき出され、人格そのものが否定された。やがて人々の関心が薄れ、終焉を迎えた。

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