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高橋篤史「経済禁忌録」

9年間タイ潜伏…あの黒幕・弁護士が突然に日本送還!自殺者や逮捕者続出の一大金融事件

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華麗なキャリアの国際派弁護士、その裏の顔


 表向き椿容疑者は華麗なキャリアを歩んでいた。東京大学卒の国際派弁護士で、代表を務める「椿総合法律事務所」は六本木ヒルズの34階にオフィスを構えていた。かつてNHKのニュース番組に出演していた有名女性キャスターと一時期結婚していたことでも知られる。

 しかし、その裏では株にのめり込み遵法精神のかけらもなかった。法律事務所とは別に東京・麻布にはディーリングルームを持ち、OHT株の相場操縦では自分の運転手の名義など複数の借名口座を用意し投資会社社員らに使わせていた。

 当時何かにつけ話題を呼んでいたヒルズ族の弁護士というだけでなく、事件発覚時、椿容疑者が注目されたのにはもうひとつ理由があった。それが、高橋元代表が率いる草月グループとの関係だった。

 1980年代の平成バブル時、高橋元代表は「環太平洋のリゾート王」と呼ばれるほど派手な不動産投資を行っていた人物だ。が、バブル崩壊で不良債権の山を築き、メーンバンクだった旧日本長期信用銀行が破綻する一因ともなった。挙げ句、高橋元代表は親密な信用組合から違法に融資を引き出していた背任事件(二信組事件)で逮捕されてしまう。95年6月のことだ。

 経済的にもほぼ破産状態になった高橋元代表だったが、90年代末期にひそかに復活していた。経営不振企業のエクイティ・ファイナンスを巧妙に利用する錬金術に活路を見いだしたのである。手始めとなったのが日本エム・アイ・シー(その後、トランスデジタルなどに社名変更)で、さらにユニオン光学(後にユニオンホールディングスへと社名変更)や、オメガ・プロジェクト(後にオメガプロジェクト・ホールディングス、現・伊豆シャボテンリゾート)などを手掛け、水面下で実質的なオーナーとして振る舞った。

 03年頃から高橋元代表の関係企業は東京・赤坂にある草月会館に集結し始めた。そして自らを草月グループと名乗るようになったのである。高橋元代表とともに二信組事件で逮捕された山口敏夫・元労働大臣もグループには出入りしていた。

草月グループの瓦解


 実は高橋元代表の顧問弁護士の1人が椿容疑者だった。同代表が手掛けた大盛工業で一時期、大株主だった英領バージン諸島籍の法人で椿容疑者が常任代理人を務めていたという接点もある。また、OHT事件で逮捕された金融ブローカーがオーナーで、同じく投資会社社員が日本代表となっていたシンガポール法人が草月会館内に日本事務所を登記していたとの事実もある。

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