NEW
高橋篤史「経済禁忌録」

9年間タイ潜伏…あの黒幕・弁護士が突然に日本送還!自殺者や逮捕者続出の一大金融事件

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 もっとも、OHT事件が発覚した頃、草月グループは瓦解の過程にあった。きっかけは高橋元代表が05年7月に急死したことだ。葬儀では椿容疑者と金融ブローカーも参列者として目撃されている。

 急死後しばらくたつと、グループ内では跡目をめぐり内紛が起きた。主導権を握ろうとしたユニオンホールディングスの横濱豊行社長(当時)が高橋元代表の長男や古参幹部の追い出しを図ったのである。また、傘下に入れていたTTGホールディングスで粉飾決算が表面化し、同社は07年1月に上場廃止へと追い込まれた。そして起きたのが同年5月のOHT株の暴落だった。さらに同年12月にはユニオンホールディングス株も暴落し、その煽りでグループ内の株売買窓口だったUSS証券が破産している。

 とどめとなったのは当局による苛烈な取り締まりだ。09年11月、ユニオンホールディングス株をめぐる相場操縦事件で横濱社長ら関係者が大量に逮捕されたのである(続いて偽計事件でも逮捕)。

 この捜査の過程では参考人だった会社役員がJR新横浜駅近くの倉庫内で首吊り自殺をしている。高橋元代表の復活当初から資金支援していた人物で、内紛発生後には横濱社長らから離反する動きを見せていた。そのため草月グループはオメガプロジェクト・ホールディングスの支配権を失い、解体は急速に進んでいた。

遠い真相究明


 そして、誰もいなくなった――。9年というあまりにも長い歳月を経て、椿容疑者が連なっていた仕手グループは跡形もなくなった。相場操縦の舞台となったOHTでもその後、粉飾決算が明らかになり、同社も株式市場から退場している。今後、当局は椿容疑者をめぐる疑惑の解明を再開することになるが、得られるものは乏しいだろう。

 OHT株事件をめぐっては、椿容疑者追及の急先鋒を務めていた検事出身の弁護士がいた。が、その弁護士も10年8月にフィリピンで自殺してしまっている。司法修習をめぐる個人的トラブルが背景にあったとされる。当時、弁護士が注目していたのは相場操縦の資金に暴力団筋のカネが入り込んでいたとの情報だった。果たして、それはどこまで明らかになるだろうか。
(文=高橋篤史/ジャーナリスト)

9年間タイ潜伏…あの黒幕・弁護士が突然に日本送還!自殺者や逮捕者続出の一大金融事件のページです。ビジネスジャーナルは、連載、六本木ヒルズ弁護士相場操縦事件の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!