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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

退職者続出で経営危機から、突然に超優良な世界的企業に変身した「信じられない」きっかけ

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

「もともと私は先頭に立って引っ張っていくのが好きなタイプなので、先代に声をかけられた時、『よしやってやろう!』と思いました。しかし、最初は一般社員から入って経験を積んでいくことにしました。徐々に仕事を覚えていき、現場を持ち、営業もやり、新規事業を立ち上げたりと、一人で何役もやるようになりました。そして5年たった頃に専務となり、今から10年前に社長に就任したのです」(同)

 高橋氏は、自分が描く会社のビジョンを社員と共有したいと考え、新たに考えた経営理念を浸透させようとしたが、いくら話しても共感してもらえなかったという。

「社員は、理念よりも目の前の待遇を良くしてほしいという思いのほうが強かったのです。私は独学で経営の勉強をしてきました。いろんな本に経営理念の重要性が説かれていて、それが一番大事なんだと当時は思っていたのです。しかし、現実は違いました」(同)

 高橋氏は、一から経営を勉強し直そうと決意し、ダスキン事業や経営支援事業を行う武蔵野の代表取締役社長で経営コンサルタントの小山昇氏の教えを受けることにした。小山氏から「経営理念よりも前に重要なことがある」と教えられたという。その重要なこととは、挨拶であり、環境整備であり、経営計画書だった。

「製造業の現場では挨拶もしない職人が多く、それが当たり前だと思っていました。しかし、挨拶こそが基本であり、形から入っていくことで社員の心が育っていくということが理解できたのです。小さな業務改善を繰り返していくことも重要であり、社員の心をひとつにするにはそれが早道だと思いました」(同)

 しかし、長年慣れてきた文化を変えようとする高橋社長に対し、古参の社員を中心に反発が広がっていく。良かれと思って導入した新しいルールを受け入れようとしなかったのだ。さらに悪いことに、リーマンショックが襲い、会社の業績も一気に落ち込んでしまう。そして、大量の社員が会社を辞めていったという。

増収増益の成長企業に生まれ変わる

「当時はとてもつらかったです。私は自分が考えていることを一生懸命伝えましたが聞き入れてもらえず、一人が辞めていくと雪崩を打つように連鎖反応が起きていきました。辞めようとする人のエネルギーに勝つことはできませんでした。しかし、これが良い経験となりました。それに、最悪の時に残ってくれた社員が、その後会社を支えてくれる人となったのです」(同)

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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