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新将命「ビジネスの原理原則」

企業理念が社員に浸透した企業は、してない企業より業績が平均4倍高い経営学的理由

文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長

 ひとつ下手をすると「目標達成のためには手段は選ばない」という目標至上主義が会社の中に蔓延してしまう。その時、会社は腐敗し始める。

 そもそも人間とは弱い動物である。誰しも弱点もあるし迷いや悩みもある。弱い人間の集合体である企業のなかに、「ほかの会社はいざ知らず、我が社にとって大切なことは何だ、どういう会社になりたいのか、何を大事にして毎日仕事をするのか」という企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)が全社員の心に深く根付いていると、社員のものの考え方や決断に大きなブレがなくなる。全社員のベクトルが合ってくる。必然的に生産性が高まり、業績が高まる。多様化(人種、性別、年齢、価値観、宗教、経験等)が進めば進むほど、企業の中には多種多様な背景や考え方を持つ人が増えてくる。組織はグループ(集合体)とはなるが、各人が行うことはテンデンバラバラという烏合の衆になり兼ねない。多様化が進展するなかで、全員の心をひとつに束ねる求心力の働きをする企業理念があると、全社員の心がひとつにまとまる。

 その時に、組織は全員が同じ理念や目標や価値観を共有したチームとなる。理念はグループをチームに変える力を持つ。

 経営者が果たすべき責務は山ほどあるが、そのなかで最も重要な責務は冒頭にも述べた「理念の構築と発信」である。三菱自の再三に亘る不祥事の根源は、一言で言うと「理念の欠如」ということに尽きるのではないか。

「魚は頭から腐る」というロシアの諺がある。腐った魚は排除しないと社員のためにも、会社のためにも、そして何よりも大切なお客様のためにもならない。日産自動車のテコ入れを受けることにより、名門・三菱自が過去の栄光を取り戻すことを望むのみである。
(文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長)

新将命

新将命

株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなど、グローバル・エクセレント・カンパニー6 社で社長職を3 社、副社長職を1 社経験。2003 年から2011 年3 月まで住友商事のアドバイザリー・ボード・メンバーを務める。「経営のプロフェッショナル」として50 年以上にわたり、日本、ヨーロッパ、アメリカの企業の第一線に携わり、今もなお、さまざまな会社のアドバイザーや経営者のメンターを務めながら長年の経験と実績をベースに、講演や企業幹部研修、執筆活動を通じて国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。

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