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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

果たしてスポーツは、本当に体に良いのか?屋外ジョギングやジムのマシンは危険?

文=新見正則/医学博士、医師
果たしてスポーツは、本当に体に良いのか?屋外ジョギングやジムのマシンは危険?の画像1「Thinkstock」より

 今回は、「スポーツ」の話で盛り上がっています。リオ五輪に刺激されたのでしょうか。“極論君”は「どんなスポーツでもやらないよりは、やったほうがいい」という論調です。一方の“非常識君”は「スポーツはやらないほうが体にいいに決まっている」とまったく正反対の論調です。

 まず非常識君が極論君に質問します。

「もしもスポーツが体にいいのなら、そのトップを極めたオリンピック選手の体型が、種目によって異なるのはおかしいと思いませんか?」

 確かにそうですね。マラソンの選手は比較的細身ですが、水泳選手は逆三角形ですね。陸上の投てき種目、砲丸投げ、円盤投げ、やり投げはみな体格が異なります。重量挙げの選手、体操の選手などはそれぞれ独特の体型です。

 確かに、体にいいのであれば、みんな同じような体型になるようにも思えますが、スポーツ選手は非常識君の指摘のように体型はそれぞれ異なっています。そこで、極論君が言います。

「体型はひとつの行き着いた先の結果であって、大切なことは、心拍数を上げて、呼吸数を増して、そして循環動態を活発化させることが大切なのだ」

 確かに、動くのが嫌いな人は、散歩も嫌い、階段を上がるのは大嫌い、できればゴロゴロしていたいというタイプが多いですね。そんな人と比べれば、スポーツを趣味にしている人は、動くのが大好きです。そんな動くことに視点を置くと、どんなスポーツでも続けていることは健康に良さそうにも思えます。

 続けて、“非常識君”が言います。

「スポーツ選手は、ケガをする頻度が高いと思いませんか?」

 確かに、ゴロゴロ寝ていればケガはしません。ところが、自転車に乗れば、それも競技用のロードバイクに素人が乗れば、転倒し骨折、運が悪いと脊髄損傷で手足が麻痺します。ジョギングも、散歩に比べて膝に3倍近い力が加わるので、膝のケガなどが頻発します。チーム競技は自分の体を犠牲にしても勝利にこだわるようになり、自ずと無理が重なります。

 フィールドで競技者がぶつかる可能性があるサッカー、バスケットボール、ホッケー、ラグビーなどは、外傷がつきものです。重量挙げの選手が腰を痛めることはよく耳にします。確かに、スポーツのやりすぎは体に害がありそうですね。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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