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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

果たしてスポーツは、本当に体に良いのか?屋外ジョギングやジムのマシンは危険?

文=新見正則/医学博士、医師

なんのためにスポーツをするのか?

 そこで“常識君”は、「なんのためにスポーツをするかが、大切な視点だ」とコメントします。

 ストレス発散であれば、自分がやりたい種目を、そして自分にとってストレス発散になるものを楽しくやればいいのです。草野球でも、同好会のバスケットボールでも、仲間とのサイクリングでも、ジョギングでも、卓球でも、テニスでも、ゴルフでも、それが楽しみであれば誰に憚ることなく楽しめば良いのです。今楽しんでいるスポーツがあれば、それをぜひとも継続しましょう。

 ところが、「スポーツは健康にいいのか?」と問われると、微妙になります。これからスポーツを始めるのであれば、ある程度の時間継続する有酸素運動がいいと思います。息を止めずに30分以上行う運動です。一方で、無酸素運動は100m競争とか、重量挙げとか、短距離水泳などです。できれば、息を吐く時間が、吸う時間より長いものが自律神経を安定させます。ヨガや太極拳、日本の武道の多くは、そんな呼吸法をすると思います。

 そんな点に注意しながら、できればゴロゴロしている時間を少しは運動に当てたほうが健康的と思われています。問題はケガですね。屋外のジョギングは固い地面を長時間走るので少々危険です。安全な方法は、ジムにあるランニングマシンの軟らかいゴムの上を走ることです。肥満の方は特に、一念発起してジョギングを始めると高い確率で膝の障害を起こします。重い体重が膝にかかるからですね。ですから、体重が足に直接にかからない運動がベストです。

 ひとつは水中歩行です。水中では浮力がありますので、膝にかかる重さは相当少なくなります。そして泳ぐよりも水中の歩行はエネルギーを使います。もうひとつは、ジムにある固定されている自転車に乗ることです。自転車はサドルで体重を支えますので、肥満のかたでも膝にかかる重さを軽減できます。そして動かないので転倒の危険がありません。

 そこで非常識君が質問します。ジムは本当に安全なのですか。確かに、まったくの素人、つまり機械を使ったことがない人が突然にジムのマシンで運動を始めることは危険です。機械でむしろケガをします。くれぐれも慣れるまではトレーナーに使い方を教わりましょう。つまり、適度な運動を適切に行うことが、やっぱり大切だということでしょうか。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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