NEW

催眠状態の「脳」で起きていること~子どもはかかりやすく、大人の5人に1人は全くかからない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレスより】

819214-2.jpg
大人の5人に1人は催眠術に全くかからない(shutterstock.com)

 催眠状態に陥っているヒトの脳内は、いったいどうなっているのか? 何らかの変化が脳内で起きているのだろうか?

 その興味深い実相が、米スタンフォード大学医学部のDavid Spiegel氏らによるMRI検査の研究報告で明らかにされた。

 催眠(hypnosis=ヒプノシス)は、暗示に左右されやすい変性意識状態の一種。ギリシア語で「眠る」を意味するが、明治期の日本上陸当時は「眠りに催す」状態と誤認されてしまい、訂正が効かぬまま催眠術(hypnotism)の呼び名が定着してしまった。

 実際、うたた寝と似て非なるものらしいが、意識構成の一つである「広がり」が低下した狭窄状態を「催眠状態」と呼んでいる。

 では、この催眠をめぐるSpiegel氏らの脳内研究は、どんな分析結果を読み取ったのだろうか?

 研究に際しては545人の潜在的な参加者から、最終的に57人の被験者が選定された。そのうち36人に関しては非常に催眠にかかりやすい傾向にあり、対照的に残りの21人は催眠にかかりにくい人たちだった。

「自分」が消えて「他人」のいいなりか?

 実験では、「各自の安静時」、「記憶を想い起こしている時」、「催眠状態を惹起するためのメッセージに曝された時」、それぞれのシチュエーションでMRI検査が行なわれた。その際の血流の変化が検出され、被験者ごとの脳活動が測定された。

 結果、催眠にかかりやすい被験者の層では、催眠時に3つの明瞭な脳内変化が認められた。この著しい変化は催眠状態でない場合は認められず、そもそも催眠にかかりにくい層の脳内では見られない現象だった。