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橋本之克「カモられない!コミュニケーション」

1千万人の日本人が遊ぶポケモンGO、ゲーム嫌いの人もひたすらポケモンをゲットする理由

文=橋本之克/アサツーディ・ケイ シニアプランニングディレクター

 ひとつの鮮やかな印象が総合的な印象に影響する現象は、「ハロー効果」と呼ばれる。この心理によって事前の情報が印象を強め、サービス開始とともに利用者を急増させた。

心理をつかんだ、ポケモンGOのポテンシャル

 ほかにもポケモンGOは、ビジネス的に注目すべき点がある。「スポンサード・ロケーション」という手法だ。スポンサー企業が店舗をポケストップや、ポケモン同士を戦わせる「ジム」にすることで集客につなげる。国内では日本マクドナルドが協賛し、全2900拠点をポケストップやジムとした。

 この手法は、企業のみでなく利用者にもメリットがある。ゲーム運営企業が、収益を利用者のアイテム購入だけに頼らずにすむためだ。かつてレアアイテムで利用者の射幸心を煽り、高額な課金で問題になった「コンプガチャ問題」のようなトラブルを避ける基盤となる。

 逆に、東日本大震災や熊本地震の被災地にレアなポケモンが出る場所を設置する、社会貢献の仕組みも検討されているという。全国の自治体や商店街でも、ポケモンGOが地域おこしに活用され始めた。日本マクドナルドでは、ポケモンGOが寄与して、開始月の既存店売上高が前年同月比で26.6%増加している。

 うまくいけばポケモンGOにより、運営会社、スポンサー企業、利用者の“3方よし”どころか、自治体や地域社会なども含めて4方、5方に“よし”となる可能性もある。そしてこれらすべての基盤は、ポケモンGOが人間の心理をうまくつかんでいることなのである。
(文=橋本之克/アサツーディ・ケイ シニアプランニングディレクター)

橋本之克/アサツーディ・ケイ 不動産エネルギー カテゴリーチーム・リーダー

橋本之克/アサツーディ・ケイ 不動産エネルギー カテゴリーチーム・リーダー

日本総合研究所を経てアサツーディ・ケイ入社。消費財から金融・不動産・環境エネルギーまで幅広く、マーケティング調査や戦略プランニングを行う。主な著作は『9割の人間は行動経済学のカモである』(経済界)

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