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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

住宅ローン、返済額より「もらえるお金」多くてトクする異常事態!活用しない手はない!

文=山下和之/住宅ジャーナリスト

 まず、返済期間35年の0.9%で計算すると、図表2の(1)のようになります。毎月の返済額は約11万円。10年目の年末になる114回後の残高は約3036万円ですから、4000万円-3036万円で約964万円の元金を支払っている計算。114回分の総返済額は約1266万円ですから、元金分964万円を引くと利息返済額は302万円になります。

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10年間のローン減税額は約350万円

 それに対して、ローン減税額はどうなるのでしょうか。図表3をご覧ください。

 1年目の年末残高は約3951万円ですが、その1%の39.5万円が控除額になります。返済が進むとローン残高が減っていくので、10年目の控除額は30.4万円に減少します。それでも、10年間の合計は349.8万円です。

 このケースで10年間に支払った利息支払額は、先にみたように約302万円ですから、それより48万円も多くの税金が返ってきます。つまり、お金を借りているのに、実際にお金を借りることで48万円収入が増えることを意味します。

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10年間で148万円収入が増えるのと同じことに

 フラット35には、一定の住宅性能を有する住宅について当初10年間の金利が0.3%低くなる、「フラット35S」があります。これだと0.9%-0.3%の0.6%で借りることができるのです。

 やはり4000万円の借入額で試算すると、図表2の(2)にあるように、10年間の利息支払額は約200万円に減少します。金利が低い分、早く残高が減るためローン減税額は若干少なくなりますが、それでも10年間の合計は約348万円。348万円の受け取りに対して、200万円の支払いですから、差し引き148万円の収入と考えていいでしょう。

高額所得者ほど有利になる

 もっとも、これは借入額が4000万円で、年間の所得税・住民税の合計が40万円以上の人が対象。年収や借入額が少ないとこれほどの効果は出ませんが、それでもマイナス金利を享受できることは変わりません。

 決して無理をしていただきたくはないのですが、年収や自己資金などの関係から買える環境にあり、希望の物件が見つかりそうな人であれば、この際、この実質的なマイナス金利を活用しない手はないでしょう。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

山下和之(やました・かずゆき)
住宅ジャーナリスト。各種新聞・雑誌、ポータルサイトなどの取材・原稿制作のほか、単行本執筆、各種セミナー講師、メディア出演など多方面に活動。「山下和之のよい家選び」も好評。主な著書に『よくわかる不動産業界』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(学研プラス)など。

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