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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

親の介護&実家整理問題が、あなたの人生や親族関係を破壊…介護前から話し合え!

文=鬼塚眞子/一般社団法人介護相続コンシェルジュ代表、保険・介護・医療ジャーナリスト

 こんな事例がある。

 Cさんは夫を亡くし、築40年の家で一人暮らしをしていた。築40年といっても重厚な住居のため、かえって趣を感じた。Cさんには息子が3人いるが、「息子と家族をあてにしたくない。早めに自分で老後の準備をしたい」と介護状態には程遠いものの、自宅を売却し、介護サービス付きの住まいに移ることを計画した。

 子供たちや家族も同意してくれたにもかかわらず、この計画はとん挫した。実はCさんの家は現在の建築基準法に馴染まず、新居を建て直すには難しい物件だった。Cさんはあれこれ物件を見て回り、ようやく自分の納得のいく住居を探し当てたが、経済的問題から断念せざるを得なかった。また、躊躇している間に地価が下落して、思うような価格で売却できない場合もある。

 家財道具の処分が、思わぬ事態を招くこともある。

 Dさんは、広島で母親がひとりで暮らしていたが、妻の協力を得られることになり、Dさんの住む東京に呼び寄せることになった。実家の処分を決めたDさんは、荷物の処分をするために、毎週東京から広島に新幹線で半年近く通った。ようやくきれいに処分はできたものの、半年間休みがまったくない状態で、その後、心臓に異変をきたし、入院を余儀なくされた。

 なんでも、30坪ほどの実家の荷物を処分するのに業者に見積もりを取ったところ、100万円を軽く超す金額が提示され、金銭的な問題からそうしたのだという。実際の自宅内部を見ていないから判断がつきかねるが、それぐらいの面積の住居なら50万円前後で請け負ってくれる良心的な業者もある。複数の業者から見積もりを取ることが重要だが、Dさんはじっくり業者を探す時間がなかったことが背景にあった。

介護を起因とする相続問題

 さらに、介護を起因とする相続問題は多い。介護をしてきた人と介護をしていない人の相続問題が昨今、マスコミを賑わせているが、こんな事例もあった。

 保険証券の受取人問題だ。母親の終身保険(600万円)の受取を独身の長男にしていた。後年、介護状態になった母親の世話をしたのは、結婚して別居している長女だった。母親は亡くなる間際、長女に「せめてものお礼に」と証券を渡した。長女は証券を相続したと思って、大切に保管していた。だが、死亡保険金は長男に支払われたことがきっかけで長男とトラブルになった。

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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