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小笠原泰「コンピュータ技術の進歩と日本の雇用の未来を考える」

弁護士もオフィスワークもサービス業の仕事も「なくなる」恐れ…機械による代替が加速

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 そして、現在の仕事の代替は、機械による直接的なものとは限らない。機械のデジタル化写真撮影など)やソフトウエア(キャラクターのデザイン作成など)の進歩によって、一流のプロと玄人はだしの素人という二極化が進行し、二流・三流のプロの仕事がなくなりつつあるのである。

 つまり今後、職業人として生活を支える対価を得られない人々が生まれてくるわけである。これも、間接的な機械による仕事の喪失である。自分に当てはめて考えると、かなり多くの人が不安になるのではないだろうか。

単純仕事の需要は少ない


 このように、機械による直接的・間接的な仕事の代替の範囲とその程度が計り知れない状況は、労働者にとって、かなりのストレスになるのではないか。しかし、身近でも起こりつつあり、「人でなければならない仕事とは何か」を真剣に考えることは、避けては通れない。

 現実的に、機械に仕事を代替された労働者が労働市場に出てきても、求人側の要求にマッチするケースは少なく、その多くは低賃金の単純労働に向かうであろう。しかし、その単純仕事の需要は、仕事を探す労働者の数ほど多くはないであろう。

 ここで問題になるのは、そのような労働者の受け皿は存在するのか、ということである。これまでは第三次産業が受け皿となってきたが、今後もそれが可能かを次回考察したい。
(文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授)