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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

クレジットカード貧困の罠…リボ払いはこんなに危険!利息だけで百万円に上ることも

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

日本ではリボ払いが標準に?

 さて、日本のクレジットカードの普及率は、いまやアメリカを超えて世界2位(1位はオーストラリア)。そして、クレジットカードの悩みも深くなってきている。特にリボ払いが始まってから。

 ここで、はっきりとさせておこう。クレジットカードで買い物をするということは、代金分をカード会社から「借金する」ということだ。その借金を決済日に銀行からの自動引き落としで返済する。カード残高があるとは、カード会社に借金がある状態だ。

 それでも、支払いが「一括」で今まで一度も延滞したことがないなら、よろしい。利息もつかないし。

 しかし、あなたがリボ払いや分割払いを利用しているなら大いに問題だ。まず15%前後の高い利息がつく。さらに残高を返し終える前に借金を重ねることができるので、借金が減らない。

 たとえば平均して月30万円のカード残高があるとしよう。30万円を一括で払うのは難しいが、リボなら毎月3万円くらいの返済でそれほど大変じゃない。この使い方を続けていくと、払う利息は年間4万5000円。この生活からなかなか抜けられなくて、10年で45万円、20年で90万円もの利息を払い続けることになる。途中で残高が増えれば100万円を超える。消費者ローンやカードローンは「借金」と認識しやすいが、クレジットカードのリボ払いは、借金と気づきにくいところが危ないのだ。

カードは2枚まで?

 リボ払い、分割払いの怖さは「高い利息をとられる」だけじゃない。リボ生活では貯金ができない。

 リボ払いで毎月3万円、5万円払っていると、現実問題、とても貯金する余裕がない。車などそれ以外のローンも同じだ。貯金ができないというのは、自分の未来に響く。

 あなたが独身者なら、借金のせいで、貯金ができないせいで、結婚が遠のくかもしれない。既婚者なら、貯金ができないことで、子どもを育てるとかマイホームを買うという夢が逃げていくかもしれない。

 あな、おそろしや、クレジットカードにリボ払い。

 というわけで、日本の私たちも、クレジット地獄に苦しんだアメリカの先輩たちにならって、Debt Freeの人生を目指そうではないか。もし今、クレジットカードのリボ払いや分割払いを利用しているなら、1日も早く返済してしまうこと。繰上げ返済だ。そのためには、当分カードを使わない覚悟をすべし。そのあとは、利用額を収入の10%以内に押さえて一括払いだけにする。使うカードは1枚だけに絞る。もう1枚は予備で持っていてもいいけど、原則使わない。あとは解約してハサミを入れる。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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