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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

日本、国別幸福度調査で53位…1位のあの国、1日7時間以上の労働NG、定年退職なし

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 本来であれば、デンマークのようにオーガニック農業に力を注ぎ、農作物を輸出することまで考えて政策を立てるべきですが、“今だけ金だけ自分だけ”しか考慮しない官僚と政治家が牛耳っている限り、それは夢のまた夢でしょう。

オーガニック農業は生産性が高い

 このようなことを言っていると必ず、「すべての農業をオーガニックにしたら、人類全体が飢えてしまう」などという的外れな心配をする人がいるので、米カリフォルニア大学のヴァシリキオティス博士の研究成果を紹介しておきます。

 彼は「オーガニック農業は慣行農業より生産性が高く、オーガニックへの転換こそが、農産物生産の維持、増産に資する」と述べています。その根拠として、8年以上にわたる実際の農産物の栽培において、オーガニックは慣行農業に匹敵し、トマト、ひまわり、とうもろこし、豆類などではオーガニックのほうが、慣行農業より収穫量が多かったことを挙げています。それは土壌中の炭素量と貯蔵された栄養成分がオーガニックのほうが多く、長期的に肥沃度を維持するためにはオーガニックのほうが有利であるのです。

 結論として、オーガニック農業は害虫による損失や収穫の劇的な減少をもたらさないということです。農薬・化学肥料を製造、販売する企業や、それに群がる御用学者たちは、オーガニックは収量が減じるというデマを流すことで農薬や化学肥料の売り上げを伸ばし、人々を洗脳してきました。しかし、農薬や化学肥料などを使わなくても収量の損失は防げ、そのうえオーガニック農業が環境維持や土壌の肥沃度を向上させ、表土の流出を防ぐということもわかったのです。

 これまでの慣行農業が、環境に悪影響を及ぼしてきたことは明白な事実です。いつかはオーガニック農業に転換しなければならない日が確実にきます。

 ヴァシリキオティス博士は「今や、オーガニック対慣行農業の比較は不要であり、オーガニック農業を改善するための研究をすぐにでも行うべき。オーガニック農業への転換だけが農産物生産を維持し、また増加させることができる」と述べています。

 皆さんも、そろそろ真剣にオーガニックのなんたるかを考えてみてはいかがでしょうか。

 世界的に見ても非常にレベルの高い技術を持つ日本の農業者が、本気でオーガニックに取り組んだとしたら、デンマークなど相手ではないはずです。

 今からでも決して遅くはありません。日本は世界一のオーガニック農業国を目指すべきだと思います。また、それは十分に可能です。願わくば、それに伴って、日本人の幸福度が劇的に上がっていってほしいものです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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