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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

コンビニ、2強生き残りかけ最終戦争突入…ローソン、玉塚氏排除で三菱商事が直接経営

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント
コンビニ、2強生き残りかけ最終戦争突入…ローソン、玉塚氏排除で三菱商事が直接経営の画像1ローソンの店舗(撮影=編集部)

 三菱商事は9月16日、ローソンを子会社化すると発表した。株式公開買付け(TOB)によって50%までシェアを拡大させる。実施時期は2017年1月頃とされた。現在、三菱商事はローソン株式の33.4%を持つ筆頭株主だが、TOBの実施におよそ1440億円の資金を投じる予定だ。

 しかし株式を3分の1以上持つと、株主総会の特別決議を否決できる。それには合併、営業権の譲渡、減資、解散、取締役・監査役の解任、株主以外の第三者への新株の有利発行、定款変更が含まれるので、実質的なオーナーとして意思決定が行える。すでに3分の1の株式を所有しているのに、多額を投資してまで過半数を握ることにした三菱商事の意図はどこにあるのか。

 私はずばり、玉塚元一会長CEO(最高経営責任者)への不信任の徹底ということにあるとみる。別の見方をすれば、6月に玉塚元社長が会長に上がったときに新社長COO(最高執行責任者)に就任した、三菱商事出身の竹増貞信氏への経営権集中ということだ。

コンビニ最終戦争で三菱商事が前に出た

コンビニ、2強生き残りかけ最終戦争突入…ローソン、玉塚氏排除で三菱商事が直接経営の画像2『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)

 コンビニ業界は今年、激変の嵐に見舞われている。王者セブン-イレブン・ジャパンを傘下に収めるセブン&アイ・ホールディングス元会長の帝王・鈴木敏文氏が退任し、セブン-イレブン社長に古屋一樹氏が新社長となったのが春のことだった。

 9月にはファミリーマートとサークルKサンクスを運営するユニーグループ・ホールディングスが経営統合し、店舗ブランドはファミマへの統一が決まっている。新生ファミマは一気に約1万8000店舗となり、セブン(約1万9000店)に肉薄することになった。ローソン(約1万3000店)は業界3位へと追いやられてしまったのである。

「コンビニは2社しか生き残れない」とは、ユニー・ファミリーマートホールディングスの上田準二社長の持論だ。そうだとしたら、ローソンにはまさに危急存亡の鐘が鳴り響き、親会社としてはなりふり構わないトップ人事と資本政策を展開し始めたとみるべきだ。

 玉塚氏がローソン社長に就任したのは14年5月のことだった。ローソンで長年看板経営者だった新浪剛史氏が同年10月にサントリーホールディングスに転出するために抜擢したのである。そもそも10年に玉塚氏をスカウトしてきたのも、サントリーへの転出に対応するために打った新浪氏の密かな布石だったと私は見ていたし、予言していた(「サントリー新浪社長、就任まで4年越しの深慮遠謀」本連載記事2014.11.24)。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

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