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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

秋冬の厚着やカイロ利用は人体に危険?薄着やTシャツのほうが健康に良い?

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 非常識君が言います。

「乳母車の中でたくさん着せられて、ミノムシのようになっている子供をしばしば見かけるようになりました。親の過保護に思えます。あれでは汗をかいて、かえって体温が下がるようにも思えます」

 常識君のコメントです。

「子供も同じで汗をかけば、そしてそんな濡れた状態で冷たい低湿度の外気に当たれば、気化熱で体温が奪われてしまいます。くれぐれも汗をかかないことが大事ですね」

 そして非常識君の発言です。

「だから、僕は冬でも薄着で半袖がいいと主張しているのです。筋骨隆々な人が、冬でもTシャツ一枚で振る舞っているのはかっこいいではないですか」

汗をかかない程度の重ね着


 常識君のコメントです。

「まず冬でも薄着でいられるということ自体が、自分の適正な体温を維持できるシステムが効率的に働いている証拠です。つまり元気ということです。筋肉はストーブです。そして食べ物がエネルギー源です。末梢まで温かい血液を運ぶ血流の存在も大切です。たくさん食べて、たくさん燃やして、温かい血液を末梢まで送れるからこそ元気なのです。元気な子供はそうですよね。寒い冬でも薄着で、外で遊べます」

 そして常識君の追加コメントです。

「ところが大人になると体は節約モードになるのです。せっかくつくった熱は手足で消費しないように手足の血流を絞ります。ですから手足は冷たくなるのです。また、体温も少々低めに設定することによって、無駄なエネルギー消費を回避します。ですから、子供のようにうまく熱をつくれて、回せる体を持っている人は薄着で良いのです。それができない人は、適切な体温保持を心がけましょう。適切というのは、汗をかかない程度の重ね着ということです。」

 極論君がいいます。

「寒いときにはどんどん使い捨てカイロを使うのです。腹巻きをして、お腹と背中の部分にカイロを入れるのは効果的ですよ」

 常識君が賛成します。

「その腹巻き+カイロ作戦はとてもよい方法ですね。ところが、寒がりの人のなかには使い捨てカイロを10枚以上一度に貼っている人もいます。そんな人の多くは実は汗をかいています。それでは体は冷やして欲しいモードに入っているので、逆効果なのです。くれぐれも、汗をかかない程度の保温やカイロの使用を心がけましょう」
(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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