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目からウロコの歯の話

日本人の「噛む力」の弱まり、深刻な健康被害の恐れ…IQ低下や認知症リスク増大

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 軟食化が始まって30年の時が過ぎ、生まれたときから柔らかい食べ物に囲まれて育った“軟食ネイティブ”の噛めない若者が、ガムは硬くて面倒くさいと敬遠しても仕方ないのです。彼らの好きなのは、噛まずに食べられる「フリスク」や「ミンティア」といったタブレット菓子です。ちなみに、これらの商品の原料は人工甘味料と添加物です。食べ過ぎれば、噛まないだけでなく味覚障害も懸念されます。

 軟食ネイティブもすでに2世代目に入っています。噛まない弊害を避けるためには、親子で意識して噛む習慣をつけなければなりません。では、どのように噛む習慣をつければよいのでしょうか。

よく噛む習慣を身につける方法

【乳児から幼児期】

・できるだけ長く母乳で育てる。母乳は乳首をよく噛まないと出ないので、自然と顎を鍛えることになる。乳歯が生え揃った時に、よく噛めるための準備期間でもある。ミルクの場合は、噛まないとミルクが出ないように人間の乳首を模したタイプを使うこと。

・離乳食はいらない。歯が生え揃わなければ噛めないのは当たり前。早い離乳食は噛まずに飲み込むことを覚えて、噛まない習慣が身についてしまう。胃腸などの消化器も固形物には対応できない。食物アレルギーの原因になるともいわれている。

・乳歯が生え揃う3歳以降は、柔らかいもの(ご飯など)でもよく噛むように、親が手本を示す。楽しそうにモグモグ噛んで見せれば、子供も真似をする。

・幼稚園以降は、料理の具材を大きくして、自然に噛む回数が増えるようにする。水やジュースで口の中の食べ物を流し込まないようにする。

・「早く食べなさい」とは言わず、食事は良く噛んで食べるものだと覚えさせる。

・親が楽しそうに噛む姿を常に見せる。

【小学生以降~大人まで】

・1食に1回、ひと口分の食べ物の形がなくなるまで噛んで数を数えてみる。

・できれば「ひと口30回」を実践する。
 
・ガム(ノンシュガーのもの)で1日当たりの噛む総数を増やす。

よく噛めば、さまざまな好影響がある?

 筆者は以前より、小中学校の昼食後の5時間目の冒頭15分位は、ガムを噛ませることを提案しています。眠気覚ましにもなるし、口腔内の清掃にもなるし、何より学習効果が上がります。一石何鳥もの効果が期待されるのですが、実践されたと聞いたことはありません。もし、これが行われ、10年、20年とその経過を追っていったら、健康度、学力などさまざまな面に好影響が表れるものと確信しています。

 健康を左右するのは食の質と量ですが、軟食化の時代にあっては、よく噛む習慣が能力の発揮やボケ防止などに結びつきます。

 よく噛む習慣は、何歳から始めても遅くはありません。年令に応じたよく噛む方法を実践してみてください。
(文=林晋哉/歯科医師)

●林 晋哉(歯科医師)
1962年東京生まれ、88年日本大学歯学部卒業、勤務医を経て94年林歯科を開業(歯科医療研究センターを併設)、2014年千代田区平河町に診療所を移転。「自分が受けたい歯科治療」を追求し実践しています。著書は『いい歯医者 悪い歯医者』(講談社+α文庫)、『子どもの歯並びと噛み合わせはこうして育てる』(祥伝社)、『歯医者の言いなりになるな! 正しい歯科治療とインプラントの危険性』(新書判) 、『歯科医は今日も、やりたい放題』(三五館)など多数。

林歯科HP:http://www.exajp.com/hayashi/

『歯科医は今日も、やりたい放題』


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