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ファミマとサンクス、経営統合で抱えた重大なリスク 全5千店「ファミマ」化計画で巨額投資

文=編集部

「今はっきりしていることは、1年間は2人(中山会長、澤田社長)体制でやるということだけ」(伊藤忠役員)というのが実態だろう。澤田氏が持ち株会社、ユニー・ファミリーマートHDの社長になることはないとの見方が有力だが、上田氏は12月に70歳になる。そう長く社長を続投することはないとみられている。

 中山氏と澤田氏は、大学は違うが学生時代からアメリカンフットボールをやっていて、伊藤忠でも2人はアメフト部で一緒にプレーをしてきた。澤田氏はオフェンスのレシーバー、中山氏はディフェンスのバックスだった。蛇足になるが、セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長も大学時代にアメフトをやっていたという。

ユニクロ流のSPAをつくり上げた澤田氏

 澤田氏は、“ユニクロモデル”と呼ばれるSPA(製造小売り)の仕組みをつくり上げたことで知られる。SPAとは、自ら製品を企画して大量に委託生産、自前のチェーン店でその製品を売るシステムを指す。

 澤田氏は伊藤忠の社員として米国に駐在していた時に、スターバックスコーヒーのハワード・シュルツ会長兼CEOと親しくなり、スターバックスが全米で店舗を拡大していく様を間近で眺めるという貴重な体験をした。

 スターバックスと同じ手法をユニクロで試したいと考え、ユニクロに入社した。

 澤田氏がユニクロに入ったのは1997年のことだ。翌年、副社長に抜擢された。99年11月には玉塚元一氏(現ローソン会長)がユニクロの取締役に就任している。澤田氏はファストリが初の減益になりそうな時期に柳井正オーナーから「社長就任」を要請されたが、これを固辞し、2002年5月にユニクロを去った。澤田氏がユニクロを去ったため、柳井氏は玉塚氏をユニクロの社長に据えた。玉塚氏は40歳の若さで社長の椅子に駆け上がったが、05年8月に社長を辞任した。事実上の解任であった。ユニクロを辞めた玉塚氏は、澤田氏と一緒に企業再生会社・リヴァンプを立ち上げた。

サークルKとサンクスの看板の掛け替えは大きな負担

 ファミマと経営統合したサークルKとサンクスの全店舗をファミマ仕様にするためには、1店舗当たり最低でも1000万円から1500万円の設備投資が必要になる。看板の掛け替えだけで500万円かかるといわれている。5000店をファミマにするためには、500億円から750億円かかる計算だ。この巨額な先行投資を回収するためには、“儲ける力”を数段アップしなければならない。その先兵になるのが澤田氏である。

BusinessJournal編集部

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