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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

自分で料理しないのは人体に危険!がんリスク増も…がん死亡者激増の要因は食の変化

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

がんにならない食事

 オートファジーの研究が進んで、がんが治るようになることを願います。しかし、その前に、がんにならないようにできないのでしょうか。

 米ハーバード大学のがん予防センターは、(アメリカ人が)がんに罹患する原因をいくつか挙げています。その中には運動不足(5%)、飲酒(3%)などがありますが、突出しているのは喫煙(30%)と食事(30%)なのです。言い方を変えれば、食事を最適(オプティマル)なものにすれば、かなりの確率でがんを防げるといえます。

 IARCは、「赤身肉とハム・ソーセージなどの加工肉には発がん性がある」という警告も発しています。肉類を摂りすぎると、腸の中で「ヘテロサイクリックアミン」や「ニトロソアミン」などの強力な発がん性物質を産生することがわかっているからです。加工肉の発色剤として使用されている「亜硝酸ナトリウム」が、ニトロソアミンの原因物質と考えられています。

 今では「がん死亡率世界一」となっていますが、もともと日本人は、それほどがんにかかりやすい民族ではなかったようです。現実に1980年代前半までは死亡原因の1位はがんではありませんでした。つまり、ここ数十年の食事が、がんの原因のひとつと考えてもいいのかもしれません。

 東北大学大学院農学研究科食品化学分野の研究の結果、今から40年前(1975年頃)の食事は、現代の食事と比べて健康有益性が高いということがわかりました。マウスでの実験では、肥満、糖尿病、脂肪肝、認知症の発症リスクが低下し、寿命が延長したことが確認されています。また、このチームは40年前の日本の食事を、健康な人と軽度肥満者の人に食べてもらい、その及ぼす影響を比較検討しています。

 40年前の日本の食事の特徴は以下のとおりです。

(1)主菜と副菜を合わせて3品以上と食材の種類が豊富なこと
(2)煮る・蒸す・生を優先する調理法
(3)大豆製品や魚介類、野菜、果物、海草が多く、卵や乳製品、肉類も適度に摂取する
(4)だしや発酵系調味料を活用し、砂糖や塩の摂取量を抑えること
(5)一汁三菜(主食、汁物、主菜、副菜×2)

 この食事内容を基本にして1日3食、28日間摂取すると、明らかに健康有益性が認められるということがわかったのです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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