ビジネスジャーナル > キャリアニュース > 顧客が買わない理由の検証?
NEW
永井孝尚「企業の現場で使えるビジネス戦略講座」(12月17日)

顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法

文=永井孝尚/オフィス永井代表
顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法の画像1「Thinkstock」より

 本連載では、ターゲット顧客と課題を徹底的に絞り込んで明確にし、その課題に対して的確な解決策を提供する「ニーズの断捨離」を提案してきた。言い換えると、「顧客が買う理由」を考え抜くということだが、そのためには顧客視点で「自社らしさ」を徹底的に考える必要がある。

 これを考えるためのフレームワークがある。次の4つを考え抜くことだ。

(1)自社ならではの強みは何か?
(2)その強みを必要とする顧客は誰か?(ターゲット顧客)
(3)その顧客は何を必要としているか?(課題)
(4)顧客が自社を選ぶためには、どうすればよいか?(解決策)

 このフレームワークの詳細については、近著『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』(KADOKAWA/中経出版)で実例を交えながら紹介しているので、興味がある方は参照いただきたい。

顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法の画像2『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』(永井孝尚/KADOKAWA/中経出版)

 このフレームワークにおけるポイントの1つは、(2)ターゲット顧客と(3)課題をいかに考えればよいか、という点である。ともすると、関係者を集めて議論を繰り返しても時間だけが経過してなかなか決まらない、ということが起こりがちだ。例えば、次のようなイメージだ。

「ターゲットの顧客か。自分の経験では、こういう顧客が多かった。だから恐らくこうだ」
「いや、こういうことがあるかもしれない」
「まったく別の視点だが、自分はこういう意見だ」
「改めて考えてみると、ターゲット顧客や課題を意外と把握していないものだな」
「それでは、中間を取ってこうしたらどうだろう?」

 いくら時間をかけてこのような議論を繰り返しても、議論が発散してしまい、なかなかよい結論にはたどり着かない。
 

●リアルな顧客データに基づき議論する

 なぜこのような事態に陥るのか。主観的に議論しているからである。特に顧客が買わなかった理由を元に議論すると陥りがちだ。

永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

 マーケティング戦略アドバイザー。1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当、さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に日本IBMを退社して独立。マーケティング思考を日本に根付かせることを目的に、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立して代表取締役に就任。専門用語を使わずにわかりやすい言葉でマーケティングの本質を伝えることをモットーとし、幅広い企業や団体へ年間数十件の講演やワークショップ研修を実施。さらに書籍・雑誌の執筆、メディア出演などで、より多くの人たちにマーケティングの面白さを伝え続けている。主な著書に、シリーズ累計60万部を突破した『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ(全3巻、コミック版全3巻、図解版、文庫版)、『そうだ、星を売ろう』、『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』、『残業3時間を朝30分で片づける仕事術』(以上KADOKAWA)、『「戦略力」が身につく方法』(PHPビジネス新書)がある。最新著は『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング』(SB新書)

・問い合わせ先:永井孝尚オフィシャルサイト

Twitter:@takahisanagai

顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法のページです。ビジネスジャーナルは、キャリア、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!