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特別企画・『賢者の選択 Leaders』アーカイブス vol.1

元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに? 異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?

『賢者の選択 Leaders』2015月10月5日放送より/構成=編集部
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森川 そうなんですよ。今、もう本当にネットの世界って50%オフとか、今すぐとか、限定何個とか。

松田 そうですね。そういうイメージです。

森川 そういう刺激物が来てぱっと反応するんですけど、そういうものではなくて、共感する、そういうメディアをつくりたいと思うんですよね。

松田 それこそクールジャパンですよ。ですから、私は日本の伝統工芸であったりとか、そういうものをどんどん世界に発信すべきだと思っているんですが、やっぱりなかなかうまくいってない。その裏にあるもの、ストーリーが伝わっていくようになれば私はもっと広がっていくんだろうなと思っているんですね。

森川 そうですね。

松田 なるほど。

白石 収益化というのは、どういうふうにお考えですか?

森川 実は(2015年)8月から広告販売を開始しまして、これも大変引き合いがすごくて、来年には実は黒字化も見えてきまして、とにかく速いスピードで成長するという形でやってますね。

松田 素晴らしい。

森川 僕は広告の世界を変えようと思ってまして、もともとインターネットの広告っていうのは、何かあるときにぱっと出てくるとか、望ましくない広告が多かったと思うんですよね。

白石 確かに。わかります。

森川 でも今回の広告というのは、自社でつくっているんですけど、コンテンツと広告が一緒になっているものなので、むしろみんな見たがって見ると。そこに共感をして購買行動につながるみたいな、そういうものをやってますので、みんながハッピーになるモデルですね。

松田 リンクしているわけですね。ですから、クリッパーの方が紹介したお店、そこの広告だったりするわけですね。紹介した服、そこの広告であったりするわけですから。

森川 そうですね。

松田 例えば、今の広告の話なんかも非常に目からうろこだったんですけど、確かにそこでリンクすれば、普通は広告って嫌がるじゃないですか。

森川 そうなんですよね。

松田 上がってきたら、「うわ、面倒くさいな」「見たくないな」と思っちゃって、それがまた、そのサイトを見なくなる理由にもなってくる。ところが、そこのクリッパーさんが出されているものとつながると、それは逆に見たくなるものですよね。むしろその情報がほしいというように思うでしょうから、リンクしていくわけですよね。

森川 そうですね。僕自身、なんで広告が嫌いなのかずっと考えてたんですよ。それは、広告イコール嘘だっていうイメージがものすごくあるからなんですよね。なので、本当のコミュニケーションを企業と個人がとったら、みんなハッピーになるんじゃないかと思ったんですよね。それが何なのかを考えて、今つくってるんですよね。

白石 将来の展望はいかがですか?

森川 はい。今、例えば日本は大企業の社員に聞くと、「将来、何になりたいの?」って聞くと、「係長になりたい」って言うらしいんですよね。それはやっぱりそこそこの幸せを求めている人が多くて、起業家も何か大きなものを具現化するよりは、どうしてもこう、ささっとやって、ささっと利益を出して、ささっと上場したいみたいな人が多くて、その結果、日本発の世界ブランドって生まれにくい状況になっているのかなと思っています。なので、今回僕はある程度やせ我慢をして、少なくともアジアに通じるような、そういうグローバルブランドをつくりたいというふうに考えてます。

3つ目のキーワード「まっすぐな道イコール幻想」

元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに?  異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?の画像5森川氏の理念に集ったスタッフたち。

白石 では、3つ目のキーワードは何でしょうか?

森川 はい。3つ目のキーワードは「まっすぐな道イコール幻想」です。

松田 そこには、どのような意味が込められているんですか?

森川 そうですね。僕自身、昭和の、松田さんも昭和の生まれですけど、昭和時代は何かいい学校を出て、いい会社に入って、結婚して、家を買ったら、何か永遠に幸せになるような、そういうものがあったと思うんですよね。

松田 ありましたね。

森川 地図があって、この通りに行けば幸せになるというのが、あったような気がするんですよね。今は必ずしもそうではなくて、もう進む道が多様かつ変化しているので、もう地図があるって幻想の時代になったんじゃないかなと思うんですよね。それがまさに「まっすぐな道イコール幻想」だということですね。

松田 本当に誰でもこの道をたどっていけば幸せになれるっていう時代じゃなくなりました。例えば大企業に一生懸命入りましたと。自分は年功序列で、例えば、部長、取締役ぐらいまで行って、最後は退職金をいただいて、年金をいただいて、ハッピーな人生だというふうにはならないっていう時代なんですよね。

森川 そうですね。

白石 でも、そういう時代を生き抜くにあたってどうすればいいんですか?

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