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「できなかったことを責めない」 お寺の住職が明かす幸せに生きるためのヒント

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※画像:『日常の中で悟りをひらく10の徳目』(南泉和尚著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)

「幸せになりたい」

 これは誰もが思うことだが、順調に行くことばかりではないだろう。むしろ苦しさの方が多いかもしれない。

 では、人生を幸せに生きるためにどうすればいいのだろうか。

 そのヒントを仏教の教えの中から探ってみよう。

 ◇

 『日常の中で悟りをひらく10の徳目』(南泉和尚著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)では、曹洞宗慈眼寺の住職である南泉和尚が、経典に登場する言葉を自分なりに解釈した10か条を紹介した一冊である。

 南泉和尚は本書で、仏教者として「四摂法」(人をまとめるための方法)と「六波羅蜜」(ブッダになりえる資質を持つために実践すべき項目)という佛様の教えから発想し、その一つひとつの徳目ごとに考えたポリシーを明かしている。

 それがこの10項目である。

・行 誰もやらない。だからやる
・布施 先に与える
・愛語 前向きでやる気になる言葉を使う
・利行 人のため地域のため世界のためにやる
・同事 感動し共感し感謝する
・持戒 ポリシーに従って生きる
・忍辱 ぺしゃんこになってもへこたれない、あきらめない
・精進 毎日昨日よりティッシュ1枚成長する
・禅定 自己を掘り下げ、静かな時間を持つ
・般若 死ぬまで成長死んでも支援

 この10カ条のポリシーの中から「行」を取り上げてみよう。

■できなかったことを責めずに、受け止めて許す

 何かを行うという意味の「行」だが、仏教ではさらに、繰り返し実践することで身につくということも含まれる。毎日を幸せに暮らすためには、どんな気持ちで送るとよいのだろうか。

 まず、自分を許して気持ちをリセットすることが大事だ。

 朝早く起きようと決めたのに、寝過ごしてしまう。前の夜にお酒を飲み過ぎて二日酔いで起きられないなど、日常で「しまった!」と思う場面は多い。

 そんなとき、そのことを後まで引きずったり、悩んだりしないこと。

 ただ声に出して「またやっちゃった。まだまだだなぁ」と自分に話しかける。そして、「また明日から早起きするぞ!」と気持ちを切り替え、宣言する。

 できなかったことを責めることはしないで、受けとめて許すことでリセットできるのだ。

 カー用品店の卸販売会社イエローハットの創業者の鍵山秀三郎氏は、「掃除を通して社会の荒み、心の荒みをなくしていきたい」という思いから、掃除を続けているという。「ゴミ一つ拾えば、一つだけきれいになる」は、南泉和尚が好きな鍵山氏の言葉。人は小さいことをおろしかにしがちだが、小さなことの積み重ねがあるからこそ、大きな成果が生まれるのだ。