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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

テレビCMも新聞広告も「終わり」なのか?販売増に直結しなくても打ち続ける理由

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――コカ・コーラマクドナルドなど、誰もが知っているブランドでも定期的にテレビCMを流していますよね。

有馬 製品や企業名が十分に世間から認知されるようになったら、このようなリマインダー広告を行って、消費者から忘れられないようにするメッセージを定期的に送ることは効果的です。特に、飲料水や日用品の場合、広告を打っていないと途端に売上が下がるといわれています。明確に買いたいブランドが決まっていない消費者というのは、いざ店頭で手に取る際、広告によってブランドが頭の中に思い浮かべば安心してその製品を手に取りやすくなります。反対に、聞いたこともないブランドには警戒感が働き、手が伸びにくくなるのです。

――高価な買い物をする場合では、消費者心理も変わってくるということでしょうか。

有馬 そうですね。消費者心理の考え方に「探索コスト」というものがあります。自動車など高額なものを買う場合には、自分自身でもいろいろと調べるとは思いますが、数百円の日用品を買う場合に、店内でわざわざスマホで調べて比較をするのは面倒と考える人が多いのではないでしょうか。そういったときに、リマインダー広告をしておくと、顧客をつかみやすくなるというわけです。

紙媒体広告の価値は下落


――最近では、ネットの広告が注目を集めています。

有馬 ユーチューバーとしての活動やアフィリエイトなどのブログで生計を立てる人が増えてきたことからもわかる通り、インターネット広告の広告価値は明らかに上がっています。昨今、広告がインターネットによって双方向化したことで、「マーケティング・コミュニケーション」という言葉も幅広く浸透してきましたし、近い将来、インターネットの、特にYahoo!のトップページなど注目度の高いバナーの広告費が、テレビのゴールデンタイムのCM以上に高くなる、などということも考えられなくはないでしょう。

――新聞や雑誌など、いわゆるオールドメディアの広告の価値は下がる一方なのでしょうか。

有馬 残念ながらそうですね。紙媒体は、かつてその保存性によって広告価値が高いとされてきましたが、その利点も雑誌をアーカイブする時代ではない現代においては足かせともいえます。今後紙媒体がもし生き残りの道を模索するのであれば、たとえば広告をこすったら香水や食べ物の香りを体感できるようにするなど、手に取ることができるリアルなメディアだからこそ可能な手法で、消費者の心に訴えかけないと難しいでしょう。

――ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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