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トランプ・ブームに大ハシャギする米国民、これから「トランプ不況」に襲われる可能性

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 また、米国が自国のことを第一に考え、保護主義的な通商政策を重視することへの懸念もある。トランプ氏はNAFTA(北米自由貿易協定)だけでなくTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)にも批判的だ。それは、米国からの輸出を増やすのはいいが、中国や日本などからの輸入はシャットアウトし、国内産業を守ろうとする発想にほかならない。

 本当に米国が保護主義に傾倒し始めると、世界の貿易量は減少し、経済活動も低迷する可能性がある。その場合、米国の自動車メーカーがメキシコで生産する自動車、アップルが中国で生産するiPhone等の取り扱いはどうなるのだろう。プラスの側面以上に、トランプ氏の政策には不確実性、矛盾点が多いように思えてならない。

オールドエコノミーへの回帰

 
 大統領選挙後の米国株式市場の動きをみると、大型株よりも流動性や経営の安定面で相対的にリスクが高いといわれる小型株までもが選好され、投資家のリスク許容度は高まっている。業種別に株価の動向をみると、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の廃止期待から金融銘柄が買われている。そして、インフラ投資への期待を反映して建設機械などの資本財、鉄鋼や銅など素材関連の株価が上昇している。また、陸運や航空貨物など、輸送関連の銘柄も上昇している。

 こうした動きから連想されるのは、トランプ氏の政策が重化学工業などを中心とする“重厚長大”な産業の復活を目指しているということだ。遊説最終日、かつては鉄鋼の街として栄え、その後、衰退してきたペンシルベニア州スクラントンでトランプ氏が演説したように、同氏はオールドエコノミーへの回帰を重視している。その考えが、雇用機会を失ってきた労働者などの共感・支持を取り付け、大統領当選の支えとなったのは確かだろう。

 一方で、株式市場全体が上昇するなかでもIT関連の銘柄には軟調なものが目立つ。ハイテク関連銘柄の多いナスダック総合指数はS&P500指数に比べて伸び悩んでいる。この背景には、トランプ氏の政策がさらなる技術革新(イノベーション=創造的破壊)につながるとは考えづらいことがある。

 1990年代以降の米国経済の成長は、重厚長大な産業ではなく、情報技術の革新によって支えられてきた。インターネット技術の進歩、高速通信網の整備、スマートフォンの登場が需要を創造し、生産性を高め、効率的な付加価値の創造を可能にした。

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