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トヨタ、幹部の呆れた恥部や社内クーデターがモデル…大ベストセラー本が波紋

文=編集部
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「これは完全なフィクションではない。章男氏は役員になる前、突如、米国に転勤したことがグループ企業や担当記者の間で話題になりましたが、転勤の背景にはプライベートでのトラブルがあったといわれています。ほとぼりが冷めるまで海外に滞在させていたということです。トヨタが直接表に出るのはまずいという話になって、その問題を処理したのは関連企業の役員だったFさんだといわれています。最近Fさんが亡くなったので、書くことができたのではないか」

 小説中でもフロント企業とのトラブルを処理したのは、グループ企業の豊臣商事専務となっている。

多彩な登場人物

 小説中にはトヨタの役員・幹部が随所に登場する。なかでも「こんな人が本当にいたの?」(競合他社幹部)といわれているのが、東京本社総務部付特別渉外担当部長の堤雅也だ。そもそもトヨタにこんな役職は存在しないという。この堤は、プライベートではファッションモデルを彷彿とさせるルックスで女優と浮名を馳せるほどの「もて男」で、仕事面では米国の政財界に通じたロビイスト、武田剛平の右腕となり、摩擦回避などの「対米工作」を担うキーマンとして描かれている。そして米国でセクハラ事件に巻き込まれ、失脚する。この堤についてトヨタOBはこう見る。

「セクハラ事件で失脚したのは元北米トヨタ社長の大高英昭氏で、事件が発覚した2006年当時はメディアでも報じられました。彼は実際にロビイストの資格を持ち、対米工作を担っていたが、もて男ではない。女優と浮名を流したのは、元トヨタ取締役でデンソーに転じて副社長まで務めたI氏ではないか。実際、女優の岸恵子さんは大企業の役員との逢瀬を自著で赤裸々に語り、それがI氏であることは名古屋では公然の秘密です」

 編集部は、この堤は大高氏とI氏の「合成」ではないかと推察する。

 取引先からの接待が大好きな、せこい役員として描かれているのが斎藤貢副社長だ。父もトヨトミ役員だったという家柄が良いことだけが取り柄で仕事ができないため、武田剛平が左遷人事を決めると、創業家の豊臣家に泣きつき、人事をひっくり返してしまったエピソードが紹介されている。質実剛健を好むトヨタにこんな役員はさすがにいないだろうと思いきや、実はこれもモデルが存在していたので驚く。トヨタグループ元幹部はこう指摘する。

BusinessJournal編集部

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