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土橋克寿「つくり手の鼓動」第1回

『リッチマン、プアウーマン』で小栗旬が魅せた経営者の横顔 バイタリティーある若者は何が違う?

文=土橋克寿
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『リッチマン、プアウーマン HP』より。

 2012年夏の月9ドラマ『リッチマン、プアウーマン』(以下、「リチプア」)、そのスペシャルドラマ版が2013年4月1日に放送されました。「リチプア」は IT企業社長・日向徹(小栗旬)と就活に苦労する東大生・澤木千尋(石原さとみ)のラブストーリーです。当時、私はベンチャー経営誌の副編集長をしていたのですが、普段テレビドラマから遠ざかっているであろう、独立・起業志向の学生や若手経営者らも話題にしていたのが印象的でした。

 「リチプア」は最高視聴率15.8%、最終回視聴率13.2%であり、フジテレビの動画配信サービス「フジテレビオンデマンド(有料)」においては、スマートフォンでの売上歴代1位を記録しました。それに対し、直近の2013年冬の月9ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』は最終回視聴率8.1%。昨今のテレビドラマ大苦戦を考慮すると、「リチプアは健闘した」と言えます。

 それでは、なぜ「リチプア」は人気を集めたのか? その大きな理由の1つに、強烈な個性を持つ経営者・日向徹への“共感”が読み取れます。例えば、下記の印象的なセリフです。

「お金は大事。仕事はなんでもやる。でも、魂は売らない」
「僕らの強みは何だ? 今まで誰も見たことがないものを作れることだ」
「わが社には、なにか新しいことがゴロゴロ落ちてるのか?落ちてない。その新しい何かを生み出せる人間に、僕は給料を払うんだ」
「僕らは 大手企業が一年かけてやることを一日でやってみせる。それも正確に」
「昨日驚いたことに、翌日人は驚かない」

 オフィスを舞台に、世間の話題を集めたドラマ『ショムニ』や『ハケンの品格』と同様、「リチプア」は“大組織の時代”から“個の時代”へと移行する社会変化をうまく捉えています。ソーシャルメディアによる“個”の発信力の爆発は、社会全体への影響力としてはまだまだ成長途上です。しかし、フェイスブックやツイッターがユーザー1人ひとりの人生・思考に大きな影響を及ぼしているのは確実です。

 2~3年前からの肌感覚として、独立・起業の熱が再び沸き上がっています。そして今、バイタリティーある若者の共通点として、「新たな出会いを育む、“3つの行動”への意識が高いな」と感じています。

 1つ目は『つながる』です。例えば「英語を上達させたい! 英語と接する時間を増やそう!」と考えた時にどうするでしょうか?多くの方々は、TOEIC関連本を読み込んだり、洋画や海外ドラマを見たり、ラジオを聞くでしょう。ただ、そういった従来の「読む」「聞く」の勉強法に加え、ネットを活用した「話す」「書く」の選択肢が増えています。

 オンライン英会話のRareJobを利用すれば25分129円からレッスンを受けられますし、Lang-8ならネイティブの方から英語日記の添削を受けられます。海外旅行の機会を活かすなら、CouchSurfingを利用すれば現地の方が住む家へ無料で泊まれますし、Meetripなら地元の方に街案内をしてもらえます。

 日本人が英語習得に必要な学習時間は3000時間とされていますが、学生時代に1000時間を学習しているため、残りは2000時間が目安です。例えば、RareJobの顧客データ調査によると、同社の英会話レッスン1時間当たり、TOEICスコアが平均0.37点上昇しています。今まで少なかった英語で“話す”時間の強化で、効果的な成果を得られることが分かります。多くの日本人にとって、フィリピン英会話講師はまだまだ馴染みがありません。しかし、こういった新たな『つながり』を構築・活用するかどうかで、英語学習ひとつとっても楽しみ方が広がりますし、目標達成それ自体も早まります。

 2つ目は『つたえる』です。情報伝達には音声・文章・写真・動画などさまざまな選択肢がありますが、やはり力強いメッセージには、ヒトの人生を変える程の力が秘められています。文字情報であれば「執筆と編集」という役割、昨今なら「ブログとNAVERまとめ」という関係性が存在します。ただ、どちらの役割であろうとも、基本的に“書き手”は“読み手”よりも多くの学びを得られます。なぜなら、“書き手”となるとネタ探しのためにアンテナが敏感になりますし、“読み手”の共感の輪が広がると面白い情報がどんどん集まるからです。そして、時間の経過と共に、その流れは加速していきます。

 3つ目は『つくる』です。例えば「世界中の人に利用されるネットサービスをつくりたい!」と考えた時にどうするでしょうか? サーバーの設置・維持やプログラミング言語習得に対して、以前は多くの金銭的・時間的コストが掛かっていました。ソースコードの共有も一手間掛かり、優秀なエンジニアとの出会いも中々訪れません。しかし、『つくる』を取り巻く環境は大きく変化しています。AmazonやGitHub、Wantedly、ドットインストールなどを利用すれば、先程の問題の多くが解決するでしょう。さらに、スタートアップ環境の向上は、モノづくりの世界にまで浸透し始めています。

 このようなネットサービスを活用することで、2013年という“今”だからこそできる“行動”があります。さらに、私たち日本人のパスポートの信頼性は世界トップレベルであるため、世界中どこへでも旅立てる自由を持っています。そういった恩恵を活かし、“3つの行動”を『つづける』ことが、自分の情熱の全てを注げる存在との出会いに結びつくと思います。

 ご挨拶が遅れましたが、皆様はじめまして! 新連載「つくり手の鼓動」を執筆する土橋克寿と申します。この連載企画では「挑戦・変化」をテーマに、「誰が、何をきっかけに、どのような挑戦をしたのか?なぜ、その挑戦が可能だったのか??その経済的・社会的・技術的変化の背景とは???」を軸に執筆します。

 意識に差があると、些細な変化へ敏感になり、思考の枠組みが構築されます。もちろん、行動にも大きな違いが表れてきます。今の日本には、大手企業を辞めて、自ら数億円の資金調達をしてVCを立ち上げた若者がいます。ソニーなどの大手メーカーを後にして、自らハードウェア系スタートアップを立ち上げた若者がいます。NPOや社団法人を設立し、一味違った感性で突き進んでいる若者がいます。「つくり手の鼓動」では、そういった挑戦者の具体例を紹介しながら、その背景にある変化を捉えていきます。政府や大企業の問題点が取りざたされる中、大組織から飛び出し、裸一貫で挑戦している人々がいるのです。悲観論をしても、何も始まりません。

 私自身、大手証券やベンチャー経営誌を経て、2013年3月に独立したばかりです。自宅ガレージが作業場の“駆け出し起業家”、“大企業経験者”、“メディア出身”という視点を活かしながら、「勇気が湧いたり、思考の枠組みの手助けとなる記事」を書いていきたいと思っています。

 これから、どうぞ宜しくお願い致します!

土橋克寿

土橋克寿

ramyu代表

1986年生まれ。大手証券会社、経営誌の副編集長を経て、2013年3月に独立。現在は東南アジアや米西海岸で活動しながら、複数メディアへ寄稿を行う。ブログ「Build Something!」では、メイカームーブメント(世界のモノづくり)について執筆中。

Facebook : 土橋 克寿

株式会社クロフィー

Twitter:@dobatty

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