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NHK次期会長選びで異例事態相次ぐ…内外の強烈な「籾井アレルギー」、再任反対運動先鋭化

文=編集部
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 日立は再び経営の舵を大きく切る。就任からわずか3年しかたっていない社長を更迭し、すでに社外に去っていた重電出身者の川村隆氏を呼び戻して社長に据えた。

 記者団から、庄山・古川時代の評価を聞かれた川村新社長は「健全性を欠いていた」とバッサリ切り捨てた。

 川村氏は「ラストマン」の覚悟で社長を引き受けた。ラストマンとは、川村氏が日立工場の課長だった30歳の折に、当時工場長だった綿森力氏(後の日立製作所副社長)に教えられた言葉だ。

「この工場が沈むときが来たら、君たちは先に降りろ。それを見届けてから、オレはこの窓を蹴破って飛び降りる。それがラストマン(の仕事)だ」

 最後に責任を取る人――それがラストマンである。川村氏はラストマンという言葉を胸に深く刻んで、社長を引き受けた。この時、「日立は倒産するかもしれない」と本気で考えていたという。

 川村氏は、中西宏明氏、高橋直也氏、八丁地隆氏、三好崇司氏、森和廣氏という5人の執行役副社長と、計6人で大きな方針を決める体制にした。会議の参加者が10人を超えると、とたんに意思決定の速度が鈍り組織が停滞するからだ。

 川村氏は「私のほか、やはり子会社に転出していた中西宏明さんと三好崇司さん、八丁地隆さんの3人が副社長として復帰することになった。私も含めて3人の復帰組の名前が『たかし』であり、『三たかし、波高し』と先行きを暗示するような記事が出た。私たち6人は血判状こそ取り交わさなかったが、『ぶれずにやるぞ』と互いの覚悟を誓いあった」と語った。

 古川氏は、川村氏に切って捨てられたとはいえ「無能」だったわけではない。「庄山会長(当時)が院政を敷いた弊害で実力を発揮できなかった」というのが、古川氏に対する現在の正当な評価だ。

 渡辺、古川の両氏には、“悲運の経営者”という共通点がある。

 渡辺氏は現在、放送局や通信会社、家電メーカーなどが加盟する次世代放送推進フォーラムの名誉会長だ。古川氏は現在、原子炉メーカーや大学が開発したさまざまなロボットの活用を提案する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の理事長である。

 渡辺氏と古川氏は、人格・識見ともにNHK会長に適任だが、いかんせん母体企業との軋轢がネックになり、官邸が起用できない理由となっている。一方で、両氏がNHK会長などの要職にカムバックすることを期待している向きは多い。
(文=編集部)

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