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武蔵小山、50年続くレトロ飲み屋街を消滅させタワマン建設…再開発で街破壊は許される?

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武蔵小山で店を構えている創業60年の老舗「牛太郎」のメニュー

 山手線目黒駅から東急目黒線で2駅目の武蔵小山。地元では「ムサコ」の愛称で親しまれている庶民的な雰囲気を残す街だ。品川区の西端にあり、目黒区に隣接する。2006年に武蔵小山駅が地下化され、その後東急目黒線も日吉駅まで延伸された。

 目黒駅までわずか3分、渋谷駅まで8分(乗換時間除く)というアクセスの良さ、日本一長い「パルム商店街」(総延長約800メートル、約250店舗)のにぎわい、そして庶民的な飲み屋、カフェなどが魅力で、この街は穴場的な人気スポットとなっている。

 そんな武蔵小山に今、再開発の大波が押し寄せている。14年に都市計画決定された「武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業」だ。「土地の高度利用と敷地の統合を行い、商業機能の活性化、快適な居住環境の形成および防災上の向上などを図り、品川区の西の玄関口としてふさわしい魅力ある駅前の複合市街地を実現する」(東京都都市整備局の発表資料)という。

 計画では、駅に隣接する一角に地上40階、高さ142メートルのタワーマンションなどが建設される。すでに工事が始まっており、周囲は白いパネルで覆われ、内部では重機が動き、基礎工事が行われている。

 この再開発事業に伴い、駅前にあった昭和の風情を色濃く残していた路地裏の飲食店街「りゅえる」がなくなった。いくつかの店舗は近くに移転したが、立ち退きとともに閉店した店も多い。1960年前後から50年以上にわたって続いてきたレトロな飲み屋ストリートがなくなってしまった。消滅を惜しむ声はネットにも多く寄せられていた。

23の飲食店で「ムサコ・ニシコ・ハイサワー特区」結成


 そんな変貌ぶりに地元の飲料メーカーが古き良き街の雰囲気を残そうと立ちあがった。レモンサワーの元祖割り材「ハイサワー」を販売する博水社である。

「大きなタワーマンションができて街並みがきれいになるのはいいかもしれないのですが、50年間続いてきた地元のレトロな飲食文化がなくなってしまうのは惜しい。そこで若い人たちにも人気のレモンサワーと酒場をキーワードに、古き良き昭和の酒場風情を盛り上げる取り組みとして『ムサコ・ニシコ ハイサワー特区』(主催・ハイサワー特区実行委員会)を11月8日に立ち上げたのです」(田中秀子社長)