ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 悩ましい忘年会幹事役の究極テク!  > 3ページ目
NEW
江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

悩ましい忘年会幹事役の究極テク!面倒な店探し、当日ドタキャン問題はこうクリア!

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表

 たとえば、席数30席のお店で客単価が4000円となっているお店では、通常営業して満席になった場合、4000円×30席×80%=9万6000円の売上が望めます。ちなみに「80%」は利用されている席の割合です。4人掛けのテーブルを3名平均で使えば75%となります。お店のテーブル配置によりますが、平均して70~80%くらいになります。

 つまり、このお店は10万円くらいの売上になるなら貸切を受けてくれるはずです。もし忘年会の予算が5000円/人なら、20人でもお店の売上は通常営業の満席と同じです。極端な話、1万円/人予算なら10人でも通常営業の満席時の売上と同じになります。30席あるお店を貸切できるかは、人数でなく「通常営業をした場合とどちらが得か?」となるはずですので、お店に相談してみましょう。

 お店としても、通常営業で4000円/人の客単価でアラカルト中心のオーダーを24人(=30席×80%)こなすよりも、5000円/人であらかじめ決めたコースを20人分こなしたほうがオペレーションも楽なはずです。

 ちなみに、私が10年間定期的に主催している「1人1本持込ワイン会」や「1人1本持込日本酒会」は、ドリンクを持込する代わりにそのお店の客単価を聞き、それにできるだけ近い金額のフードをお願いすることによって客単価を維持し、お店が損しないことを前提にお願いしています。

キャンセル

 最後に「キャンセル」についてですが、飲食店業界の者としてみなさんにお願いです。やむを得ず全面キャンセルや一部キャンセルとなる場合は、できるだけ早めに飲食店に連絡してください。キャンセル問題で悩んでいるお店はとても多く、売上に深刻なダメージを与えてしまいます。

 特に無断キャンセル(ノーショウ)は精神的にもダメージが大きく、人間不信に陥る真面目なオーナーさんもいます。貸切のような大きな宴会で当日になってお客さんが来ないとき、「用意した料理はどうすればいい?」「丸々空いているこの空間に今からお客さんは入ってくるのか?」など、頭の中がパニック気味になります。予約した幹事に電話を入れますが、通常は出ませんし、その後もダンマリを決めてバックレようとします。その後の対応も心身共に疲れます。一部人数の減少についても2~3名以上人数が減ると、用意するテーブル数やそれにともなう料理の皿数も変わってきます。来るか来ないかわからない人を待つことによって当日使われないテーブルが発生するということは、客単価4000円のお店なら1テーブルあたり1万円くらい売上が減ってしまいます。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

悩ましい忘年会幹事役の究極テク!面倒な店探し、当日ドタキャン問題はこうクリア!のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!