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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

トランプ米大統領「夫人隠し」か…学歴詐称&コールガール&演説盗用&不法就労の疑惑

文=相馬勝/ジャーナリスト

 実は、高級コールガール説が流れる背景には、きっかけがあった。メラニア夫人が25歳だった当時の95年、メラニアさんと北欧の女性モデルがともに全裸で、ベッドの上で抱き合っている写真がフランスの男性誌に掲載されたことがあるからだ。この写真が大衆紙ニューヨーク・ポストで報じられた。

 トランプ氏は写真について、「メラニアは最高に美しいモデルだ。欧州ではこのような写真は非常にファッショナブルで常識的だ」などとコメントしている。

 メラニア夫人は98年、トランプ氏とパーティーで知り合い、05年1月に結婚。これを機にメラニア夫人はモデルを辞め、翌年には米国籍(市民権)を取得し、良妻賢母を演じてきた。

不法就労疑惑

 だが、トランプ氏が米共和党の次期大統領候補に決まるころから、メラニア夫人に関する良からぬ噂話が報道され、そのなかには高級コールガール説などファーストレディとしての資質を疑われるような情報もあった。

 追い打ちをかけるように、今年8月には、メラニア夫人が米市民権を取得する前にモデルとして不法就労していたとの疑惑が報じられた。米政治サイト「ポリティコ」の報道では、初めて渡米した際に受けた滞在許可には労働は含まれておらず、入国管理局に虚偽の申請を行っていたのではないかというものだ。

 メラニア夫人は「事実関係をはっきりさせておきます。私は過去に入国管理法に抵触したことは一切ありません」との声明を発表し疑惑を否定している。トランプ氏は「米国へのあらゆる不法入国を一掃する」ことを公約として、前面に押し出して選挙運動を展開してきたことから、疑惑を認めるわけにはいかないだろう。

 さらに、学歴詐称の疑惑も浮上している。さきに紹介したように、メラニア夫人はスロベニアのリュブリャナ大学で建築学の学位を取得したことになっているが、実は1年で中退していたというものだ。

 これに対して、メラニア夫人側は問題のウェブサイトを閉鎖する行動に出た。メラニア夫人はツイッター上で「問題のサイトは2012年に開設されたもので、自分の現在の事業や関心を正しく反映していなかったので閉鎖した」と釈明している。

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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