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石原藤樹「その医療の常識、本当ですか?」

牛乳を飲むと危険?本当?死亡率が約2倍、骨折数が増加との調査結果も

文=石原藤樹/北品川藤クリニック院長
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牛乳と生活習慣病との間には、どのような関係があるのか?

 
 乳製品を多く摂る人は糖尿病などの生活習慣病にはなりにくい、というデータが複数存在しています。しかし、牛乳には動物性の脂肪が多く含まれていて、本当にそれで生活習慣病の予防になるのか、という疑問があります。

 2014年のダイアベトロジア誌という糖尿病専門誌の論文では、乳製品を高脂肪のものや低脂肪のものに分け、また生乳とヨーグルトやチーズを分けて検討した結果、ヨーグルトのような発酵乳では、明確な糖尿病の予防効果が認められたが、牛乳などのみでは、そうした予防効果は認められなかった、という結果が報告されています(註3)。

牛乳と健康をどう考えるのが良いのか?

 
 それでは、牛乳は健康に良いのでしょうか、悪いのでしょうか?
 
 これはまだ結論の出ていない問題ですが、乳製品の健康への良い影響の多くは、実は牛乳ではなく、ヨーグルトやチーズによるものだと考えられます。

 その理由はまだ明確ではありませんが、牛乳に比べてヨーグルトなどの発酵乳のほうが、低脂肪で、老化の促進因子であるガラクトースの含有量も少ないことが、その要因として想定されます。特に成長期を過ぎた大人では、1日コップ1杯を超える牛乳を飲むことは、あまり健康的ではない、と考えたほうが良いように思います。
 
 皆さんも乳製品と賢く付き合ってください。
(文=石原藤樹/北品川藤クリニック院長)

【参考文献】
註1:Michaelsson K, Wolk A, Langenskiold S, et al. Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies. BMJ. 2014 Oct 28; 349:g6015.
註2:Feskanich D, Bischoff-Ferrari HA, Frazier AL, et al. Milk consumption during teenage years and risk of hip fractures in older adults. JAMA Pediatr. 2014 Jan; 168(1):54-60.
註3:O’Connor LM, Lentjes MA, Luben RN, et al. Dietary dairy product intake and incident type 2 diabetes: a prospective study using dietary data from a 7-day food diary. Diabetologia.2014 May; 57(5):909-17.

石原藤樹/北品川藤クリニック院長

石原藤樹/北品川藤クリニック院長

北品川藤クリニック院長。医学博士。1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科大学院卒業。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任
北品川藤クリニック

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