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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

ウコンなど「飲む前に飲む」系飲料の危険な副作用…知らぬ間に肝硬変や肝臓がんに

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

 このアセトアルデヒドが、頭痛や吐き気など二日酔いの原因です。アセトアルデヒドを分解する酵素の力は、体質によって大きく異なり、これがお酒の強い人・弱い人を決めています。その人の持つ酵素の力以上のアルコールを飲むと、分解しきれなかったアセトアルデヒドが体内に残り、吐き気や頭痛を引き起こすのです。

 ウコンに含まれるクルクミンの作用により肝機能が活性化し、アセトアルデヒドが残りにくくなるというわけです。二日酔いだけではなく、飲んでいる間の悪酔いも起こりにくくなります。

 ウコンにもいろいろな種類があり、主なものでは「春ウコン」「秋ウコン」、そしてガジュツとも呼ばれる「紫ウコン」などがあります。同じウコンの仲間でも、含まれる成分の割合も異なります。

 肝臓の機能を活性化するクルクミンが多く含まれているのは秋ウコンで、沖縄では秋ウコンを「肝臓の妙薬」と呼んでいるそうです。また、春ウコンや紫ウコンは、クルクミンの含有量は少ないですが、ミネラル分や精油成分は豊富に含まれています。

ウコンの副作用

 ウコンの副作用についてはあまり知らされていませんが、下記に当てはまる方は注意が必要です。

(1)肝機能が低下している方

 ウコンには鉄分が多く含まれています。「日本人は鉄分が不足している」といわれているので、鉄分が多いことは良いことのように思えますが、肝臓が弱っている人の場合には摂取した鉄分が肝臓に溜まり排出できずに鉄分が過剰状態になってしまうのです。過剰になってしまうと、肝硬変などになる危険性もあります。特に肝臓障害、たとえばC型肝炎や、非アルコール性脂肪性肝炎にかかっている方は、摂取は控えてください。

(2)抗血液凝固剤などを服用している方

 クルクミンには、血液をサラサラにする効果があります。血液をサラサラにする薬を常用されている方は、血が止まりにくくなることがありますので注意してください。また、血小板が少なく、血が止まりにくい病気(血友病など)の方も、あまり飲まないほうが良いでしょう。

(3)胆汁管障害、胆石を患っている方

 クルクミンには、肝臓の機能を促進し、胆汁の分泌量を増やす効果があります。そのため、胆汁観障害や胆石を患っている方の場合、胆のう刺激作用のあるクルクミンの摂取は控えてください。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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