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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

ウコンなど「飲む前に飲む」系飲料の危険な副作用…知らぬ間に肝硬変や肝臓がんに

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

(4)妊娠中や授乳中の方

 ウコンのなかでも紫ウコンは、香りが強く精油成分を多く含んでいます。この精油成分が、子宮を収縮させてしまうことがあります。紫ウコンの名産地、沖縄では「妊婦に紫ウコンは与えるな」と言い伝えられています。二日酔いを防ぐためのウコン飲料に含まれているのは「秋ウコン」ですから、それほど影響はないと考えられます。また、紫ウコンも大量に摂取しない限り、流産するほどの危険はないと思われますが、妊娠している方は注意してください。もちろん、カレーや料理のスパイスとして使う程度であれば問題はありません。

 また、ウコンには血圧を下げる作用もあるので、降圧剤を服用中の方も注意してください。ほかにも、急性黄疸、ヘルペス、消化性潰瘍、胃酸過多などの方も慎重に摂取してください。

本当に怖いのは自覚症状が出にくい肝臓の異常

 ウコンに含まれるクルクミンが肝臓の機能を強化し、働きを促進します。そのため、「飲む前に飲む」を繰り返していると、肝臓にかかる負担は大きくなり、結果的に肝臓の機能低下を招いてしまうこともあります。

 ウコンを摂取し自分の酵素の力以上の働きをすることで、日常的に暴飲暴食が繰り返されると、中性脂肪が肝臓内に溜まっていきます。肝細胞の30%以上が脂肪化している状態を「脂肪肝」と呼びます。脂肪肝は肝硬変に進行してしまいます。

「肝臓は無言の臓器」ともいわれ、検査を受けてはじめて肝炎や脂肪肝と診断されることも多いのです。自覚症状が出にくく、症状が出てもだるさ程度で見落としてしまいがちです。肝炎や脂肪肝がさらに肝臓がんに移行して、気付いた時には取り返しのつかない状態になっている場合もあります。

 これが「飲む前に飲む」を繰り返して起こる本当に怖い副作用なのではないでしょうか。

 自覚症状のないまま肝臓に負担をかけ続け、自覚した時にはもうかなり症状が悪化しているというケースが少なくありません。

 これはウコンに限ったことではなく、「酔わない」「二日酔いになりにくい」と謳っているドリンク、サプリなどにもいえることです。

 これからの季節、毎日のように繰り広げられる飲み会で、疲れている胃を胃薬でだまし、「飲む前に飲む」ドリンクやサプリを飲んで自分の酵素の能力以上の負担をかけるのはほどほどにしてください。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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