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ASKA不起訴で釈放、なぜ警察は謝罪しない?なぜ尿検査でお茶混入はお咎めなし?

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ASKAさん不起訴処分 湾岸署から釈放(Pasya/アフロ)

 11月28日に覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されたASKA(本名:宮崎重明)さんが、嫌疑不十分で不起訴処分となり12月19日、勾留されていた東京湾岸署から釈放された。

 ASKA さんは、2014年に覚せい剤取締法違反などの罪で懲役3年、執行猶予4年の判決を受け執行猶予中の身だったため、今回の逮捕が実刑につながるとみる報道が多かった。だが、不起訴となったことで、一転して警察が釈明に追われる立場となる。

 警視庁は、ASKAさんから採取した尿を検査したところ陽性反応が出たとして逮捕に踏み切っていたが、報道によれば、調べに対しASKAさんは「用意しておいたお茶を尿の代わりに採尿カップに入れた」「覚醒剤は使っていない」などと供述しているという。

 ここまでの報道で、いくつか疑問が湧いてくる。まず、逮捕して約3週間にわたって拘留したにもかかわらず嫌疑不十分だったことに対し、警視庁は謝罪や補償をするのだろうか。

 弁護士法人ALG&Associates執行役員の山岸純弁護士は、こう説明する。

「不起訴は、『嫌疑なし(そもそも犯罪に当たらなかった、または犯人ではなかった)』『嫌疑不十分(犯人のようではあるが、決定的な証拠を見つけられなかった)』『起訴猶予(高齢であったり、とても反省している、などの態様から、あえて起訴しない場合)』の3つの種類があります。今回、ASKAさんは『嫌疑不十分』で不起訴処分となり釈放されましたが、要するに、『完全にはシロとはいえないが、裁判では勝てない(証拠上、有罪とするのが難しい)かもしれないので釈放します』というものです。したがって、誤認逮捕(まったく犯罪者ではない人を逮捕して勾留した)というわけではないので、謝罪も補償も不要です」

 次に、さもASKAさんが有罪であるかのように報じたマスコミ各社が、名誉毀損などの罪に問われる可能性はあるのだろうか。

「『嫌疑がないから釈放』ではなく、『嫌疑はあるが、証拠が薄いから釈放』なので、マスコミが『それなりに信じるに足りる事情』があったものとして、名誉毀損が問われる可能性は低いかもしれません。

 なお、薬物犯罪に関する刑事裁判では、『薬物を使った』ことはもちろんのこと、『どうやって使ったか』『どこから入手したか』も重要視されます。そのため、尿検査で覚せい剤の反応が出たとしても、使用の状況や覚せい剤の入手経路などを明らかにできない場合にも、不起訴処分となることがあるようです。

 今回のように、ASKAさんが否認している状況で尿検査が陽性だったとしても、“ポンプ”と呼ばれる注射器やなどが見つからない場合には、使用の状況を特定できずに不起訴としたということも考えられます」(同)

 では、ASKAさんが、尿の代わりにお茶を入れたと供述している点について、事実だとすれば警察を欺いているわけだが、それは罪にならないのだろうか。

「尿がお茶だったというのは、極めてマユツバの話で、あまり信用性がないと思われます。なお、警察を欺いたとしても、自分の犯罪についてであれば、お咎めはありません。他人の犯罪について警察を欺いた場合、犯人隠匿罪などが成立する場合があります」(同)

 釈放されたからといって無実が証明されたわけではないが、警察の威信が大きく失墜する事件となったことは間違いない。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

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