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タクシーが危ない?ウトウト運転で0時以降に死亡事故増、1日20時間運転で平衡感覚失う例も

文=後藤豊/フリーライター
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タクシーに乗ってはいけない時間帯とは?

 ノルマの厳しいタクシー会社では、ドライバーは「ノルマ達成のために1人でも多く乗せよう」と躍起になりがちだ。しかし、私の感覚からすれば、10時間も運転を続けると平衡感覚が失われ、タクシーを降りた瞬間にフラフラする。

 そんな中、1日20時間も運転を続けることもある業務性質に鑑みると、自損や物損、あるいは人身も含めて、タクシーの事故は「起きるべくして起きている」とも思える。

 20時間もの間、ずっと意識や神経を集中させるなど無理な話であり、だからこそ数時間の休憩が義務付けられている。それでも、深夜3時以降は強い疲労を感じ、睡魔に襲われる時間となる。私自身、ノルマがきつい会社に所属していたときは運転しながらウトウトしたことが何度もある。今は3時には運転業務を切り上げているが、ドライバーにとっても乗客にとっても「深夜3時以降」は非常に危険な時間帯だ。

 都内のタクシー死亡事故を見ると、その多くが午前0時から明け方5時ごろの時間帯に起きている。交通量が少なくスピードを出せる上、ドライバーの疲労がピークに達する時間帯だ。また、路上には酒に酔ってフラフラしている歩行者も少なくない。

 暖房が効いた車内で無音、さらに乗客は眠っているとなると、多かれ少なかれ睡魔が襲ってくる。風景が変わらず運転が単調になる高速道路などは、特に危険だ。もちろん、早朝出勤のドライバーもいるが、乗客には勤務体系などわからない。

「自己管理を徹底して、乗客を安全に送り届ける」というタクシードライバーの義務を棚に上げるようだが、この時間帯にタクシーに乗り、もし「危ないな」と感じたら、ドライバーに一言でも声をかけてほしい。それだけで、ハッとして睡魔が消えるからだ。

雨の深夜に自転車と衝突……

 私が勤める会社は比較的ノルマが緩いが、それでも月に10人前後が事故を起こしている。軽い自損事故も含めた数字だが、全社員約200人のうち「入社以来無事故(軽いこすり傷も含める)」というドライバーは30人ほど。全体の2割弱である。また、売り上げ上位のドライバーほど事故率も高いものだ。

 かくいう私も、人身事故の経験がある。4年ほど前の雨の土曜日、23時ごろ。住宅街で乗客を降ろした後に走っていると、左側から自転車が突っ込んできたのだ。

 自転車に乗っていた女性は転倒し、青ざめた私はすぐに車を停めて駆け寄った。幸いにも女性はすぐに立ち上がり「大丈夫です、ごめんなさい。私が悪かったです」と逆に謝られ、救急車を呼ぼうとしても「大丈夫です、なんともありません」と言われた。

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