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三越伊勢丹、西武池袋に屈辱的完敗…旗艦店も突然売上減、容赦ないリストラで内部対立の火種

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都心の旗艦3店が不振

 三越伊勢丹HDは16年10月に業績予想を修正し、17年3月期の連結売上高は前期比2.9%減の1兆2500億円、営業利益は27.5%減の240億円を見込む。目標に掲げていた連結営業利益500億円の達成は、2年後ろ倒しにした。

 一方、大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングの17年2月期の連結売上高は、前期比4.0%減の1兆1170億円、営業利益は6.3%減の450億円の見込み。高島屋は、17年2月期の連結売上高を前期比0.5%減の9250億円、営業利益は3.1%増の340億円と予想している。

 J.フロントは、旗艦店である大丸心斎橋店の改装工事の影響で減収減益になるが、実質的には三越伊勢丹HDの一人負けだ。本業の儲けを示す営業利益で、三越伊勢丹HDがライバル2社に水を空けられた。

 J.フロントは“脱百貨店”を掲げ、都心型ショッピングセンターに大転換し、自前の販売員を置かない戦略を徹底している。高島屋は郊外型ショッピングセンターなど不動産事業を収益の柱に育てた。これに対して三越伊勢丹HDは、伝統的な百貨店のビジネスモデルを貫いてきた。しかし、消費に減速感が強まるなかで業績に明暗が分かれた。

 三越伊勢丹HDの都心の旗艦3店の16年4~11月の累計売り上げは、伊勢丹新宿本店が前年同期比3.1%減、三越日本橋本店が2.2%減、三越銀座店が7.6%減。三越銀座店は中国人の“爆買い”の恩恵をもっとも受けた百貨店だったが、爆買いバブルが弾け大きく落ち込んだ。

 主力の伊勢丹新宿本店は、訪日客消費が縮小した影響も受けたが、婦人服の不振の打撃が大きかった。婦人服・洋品は4.0%の減少。同店の衣料品売上高比率は43%で、靴やアクセサリーなど身の回り品を含めると57%に達する。13年の店舗改装に合わせて高級化路線にシフトしたが、消費の減速で裏目に出た格好だ。

お家騒動の火種、店舗リストラの対象になった三越

 三越伊勢丹HDの業績は、都心の旗艦3店に“おんぶにだっこ”の状態だった。これまではインバウンド需要の急拡大で、そのひずみが目立つことはなかったが、旗艦3店の成長に急ブレーキがかかり問題点があらわになった。伊勢丹と三越の統合がうまくいっていないことがあぶり出されてきた。

 三越伊勢丹HDは08年4月、伊勢丹と三越の経営統合によって発足した。ファッションの伊勢丹と伝統の三越。お中元・お歳暮は、三菱グループは伊勢丹、三井グループは発祥企業である三越の包装紙を使う。もともと水と油の企業体質なため、当初から「うまくいくのか」と危ぶまれていた。

 それでも内紛が起きなかったのは、両社の融和を優先させてきたからだ。信じられないことだが、三越伊勢丹HDが旧三越と旧伊勢丹の社員の賞与体系の一本化にこぎ着けたのは、16年3月期になってからだという。

 とうとう尻に火がついて、融和ばかりを言っていられなくなった。大西氏は店舗リストラを打ち出した。17年3月には千葉三越と多摩センター三越が閉店し、松山三越と広島三越は事業縮小を検討している。伊勢丹の松戸店や府中店も同様の検討をしているが、三越のリストラばかりが目立つ。

 伊勢丹出身の大西氏は、これまで聖域だった三越の店舗リストラに切り込む。これまで封印されてきた伊勢丹と三越の対立の火種になる可能性が高くなってきた。
(文=編集部)

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