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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

あの壮大な都市開発計画、壮大に失敗し廃墟化しつつあった!住居もオフィスもガラガラ

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 そして26年にはクアラルンプール(以下、KL)とシンガポールを約90分で結ぶ高速鉄道(日本も官民あげて新幹線システムを売り込んでいます)が開通する予定で、もちろんJBにも駅ができることになっています。この鉄道は、将来はタイのバンコクを結ぶ可能性も示唆されています。

 という感じで、確かに「ハコもの」はできていて、人口も確実に増加しています。11年に訪問した時には閑散としていましたが、JBを訪問するたびに車の通行量も増えていて、渋滞もあちこちで起こっています。ちなみにシンガポールとJBとを結ぶコーズウェイでは、普通なら5分で渡れるはずが、通勤時間帯には2時間超もかかるほど激しい渋滞に悩まされています。

 しかし、投資家目線でJBを考えたとき、かなり難しい市場になっていると感じています。

供給過剰


 当時から予想はしていたことであり、新興国不動産投資のセミナーなどで話す機会があるたびに「必ず供給過剰が起こる」と注意喚起していた私ではありますが、言っている張本人が今、供給過剰の波に呑まれています。というのも、当時の私の予想を上回る超ハイペースで、新しいコンドミニアムが乱立しているのです。

 たとえばシンガポールの対岸、コーズウェイから少し西方に位置したダンガベイと呼ばれる湾岸エリアでは、中国資本によるコンドミニアム群が建設されていますが、近くで見るとその物量(供給戸数)に圧倒されます。こんなに住む人はいないだろうと感じずにはいられません。

 もちろん、新規のプロジェクトはJB内のあちこちで進んでおり、私が投資したプテリハーバー(プライベートヨットなどが係留できるマリーナエリア)だけでも、周辺では5つのプロジェクトが同時進行していました。そのプロジェクトも1つひとつが巨大で、1棟で何百戸もあるタワーが何本も建っているのです。

 どう考えてもこれほどの供給に対し需要が追いつくはずもなく、私の物件が1年も空室で賃貸が決まらない理由が痛いほどわかります。

 私が買った物件には敷地内にオフィス棟もありますが、決まったテナントは1社だけ。レジデンス棟の駐車場もガラガラで、住民は1ケタ程度しか住んでいない模様です。

居住エリアとしてはまだまだ不便


 古くからのJB市内はそれほど深刻な状況ではありませんが、問題は新規開発エリアです。

 イスカンダルの目玉エリアであるヌサジャヤ地区は、「イスカンダル・プテリ」という名称に変わり、そのなかでも特にメディニ地区は経済特区が設けられて企業の誘致を進めています。しかしそこでさえ人はほとんどおらず、政府役人が住むと言われていた複合施設「ワンメディニ」もガラガラです。