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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

日本人の野菜不足、危機的状況で健康を脅かすレベルに…がんや糖尿病に直結

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 化学肥料は、基本的に「硝酸態窒素」と呼ばれるものが主体で、これを大量に使用された野菜を食べると、その硝酸態窒素が体内でニトロソアミンという発がん物質に変化してしまいます。ニトロソアミンは発がん物質であるだけでなく、すい臓のインスリンをつくり出す細胞にも多大なダメージを与えます。そのため、長期間にわたって硝酸態窒素を摂り続けていると、細胞内にブドウ糖を取り込むメカニズムや、血糖値のコントロールにも影響し、場合よっては糖尿病の要因にもなってしまうのです。

 昨今、数多くの農家の方々が、農薬や化学肥料の害について気づき始めています。ご自身やご家族が体調を悪くされたことなどをきっかけに、自分たちが育てている作物が、それを食べる人たちの健康を害しているかもしれないと疑問を持つに至っているのです。

 農水省の調べでは、48%の農家が「条件さえ整えば、オーガニック栽培に移行したい」と考えていることがわかりました。その条件の第一は何かというと、「消費者の理解」なのです。消費者が、自分たちの食べるものに対して関心を持ち、農家の苦労を知った上で、オーガニック野菜に適正な価格を支払うという条件がまず整わなくてはならないのです。

 オーガニック栽培による元気な野菜を、みんながたくさん食べられるようになるといいと思います。おいしい野菜を食べれば、多くの野菜を食べたいと思う人も増えるでしょうし、日本人全体の野菜摂取量も増えるでしょう。ひいては、それが日本人全体の健康増進につながっていくことは間違いありません。

 国は、本気で国民の健康を考えるのであれば、省庁の壁を取り払い、さらに民間企業とも力を合わせ、オーガニック栽培をもっと推進すべきです。そして、国民が「これなら食べてみたい」と思うような、おいしい野菜料理を開発してほしいものです。

 そういう具体的な、実現可能な施策を考えだして実行するのが、役人の仕事ではないのかと申し上げたい。そうしなければ国民を健康に導くことはできないと、重ねて具申したい。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)