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杉原杏璃×起業家対談(1)

うつ病寸前、FXで160万円の損失…IT大手のSEは、なぜ転職より起業を選んだ?

構成=日下部貴士/A4studio 写真=尾藤能暢
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杉原 確かに、今はいろいろな社会不安がありますから、自分の身は自分で守らないといけませんよね。とはいえ、起業ではなく転職という道もあったと思いますが、なぜ起業を選んだのですか?

森下 当時27歳で、30歳という節目も近づいてきて、最初は転職しようと考えていたんです。でも、私が働いていたのは大手だったので給与や福利厚生などの待遇がよく、それ以上を求めるとなると、なかなかいい転職先が見つかりませんでした。転職サイトに登録して企業からオファーもいただいたのですが、ほとんどが中小やベンチャーで、結局やることは変わらずに待遇が下がるだけ。がんばっても給料は変わらない。ルーティンのような家と会社の往復で、満員電車に乗る日々も変わらない。転職した後の自分のイメージも湧いてこなかったので、「だったら、自分で稼ごう」と思ったんです。今思うと、少しわがままだったのかもしれませんね(笑)。

週末起業のFXで160万円の損失

杉原 なるほど。退職するにあたって、何か事前に起業の準備をしたりしたのですか?

森下 実は、会社員時代から、平日は普通に働きながら週末起業というかたちで副業をしていたんです。はじめは、会社員にありがちな株式やFX(外国為替証拠金取引)などの投資でした。

杉原 投資は、比較的始めやすい副業ですよね。うまくいきましたか?

森下 それが、最終的に160万円の損失を出してしまいまして……。

杉原 えー! 大丈夫だったんですか?

森下 大丈夫じゃないですよ(苦笑)。10万円ほどの資金でFXを始めたんですが、あっという間に元手が半分になってしまって、すぐに手を引きました。その後は「自分で稼げないなら、ほかの人に任せてみよう」と運用をお願いしたんですが、いろいろと問題が起こってしまい、結果的に160万円の損。やはり自分でやらないとダメで、楽して儲かる方法はないんですよ。人に任せるぐらいなら、自分の力、要は知識と技術で稼げるビジネスをやったほうが絶対にいいですね。

杉原 そうですよね。投資にしろ、ほかのビジネスにしろ、他人に任せてばかりではうまくいかないですよね。

起業家と会社員の最大の違いとは?

杉原 投資から手を引いたあとは、何をされたんですか?

森下 次は「売る力」を身につけたかったので、インターネット広告の代理店ビジネスを始めました。友人に独立して10年ぐらい活動しているフリーの営業マンがいるのですが、彼の影響で売る力の大切さに気づきまして。当然ですよね、売れないと売り上げもなければ利益も出ないですから。それで、これまではずっとパソコンに向かって仕事をしていたので、「まずは営業をやってみよう」と。

杉原 営業って、人の懐に入り込む話術のようなスキルが必要だと思いますが、独学で学んだのですか?

森下 いえいえ。セールスも集客も、どんなビジネスがいいかも何もわからなかったので、そこは自己投資と割り切って、ある程度の資金を投じて某有名起業家のコンサルティングを受けました。個人に合わせてビジネスを基礎から教えてくれるところだったので、そこでビジネスに必要な考え方とスキルと、実際に自分で稼げるようになるまでのすべてを学ぶことができましたね。自分では、何から勉強したらいいのか、どんなノウハウが役に立つのか、全然わかりませんから。知っている人に最初から聞いたほうが、自分で試行錯誤するよりも圧倒的に早くて、8カ月で脱サラすることができました。

うつ病寸前、FXで160万円の損失…IT大手のSEは、なぜ転職より起業を選んだ?の画像2株式会社EXISTi代表取締役の森下翔悟氏

杉原 そこで教わっていて、何か気づいたことはありますか?

森下 すべてが新しい“気づき”だったんですが、強いて言うなら「起業家と会社員のマインドセットの違い」でしょうか。

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