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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

『君の名は。』、観た後に「もう一度確認したい」と思わせる「過剰情報」の秘密

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

“逃げ恥”に見る、内容以外でも話題性をつくる大切さ

 連続テレビドラマでいえば、前クールの『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)も高視聴率を叩き出したが、本編の内容もさることながら、エンディングで踊られる“恋ダンス”が特に話題となり、回を重ねるごとに視聴率が上昇していった。

 このように、本編のストーリー以外の部分で注目を集めるのも、最近のヒットコンテンツの共通点のひとつだという。

「このようなパブリシティ効果の誘発は、ヒットを生み出す上では非常に重要です。SNS全盛の現代はその効果を狙いやすいのですが、話題に釣られて観に行ったものの、その期待に到達していない内容だった場合の失望感は大きく、マイナスの感想が却って広まりやすくなります。内容的にもしっかりと期待に応え、さらに副産物的な部分で観客に楽しみを与える、これができたから『君の名は。』は良い成績をおさめることができたのだと思います。このようなビジネスモデルは今後次々と模倣される可能性がありますが、本作は邦画史上のマイルストーン的映画となったといえるのではないでしょうか」(同)

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という言葉があるが、マーケティング上ではヒットには必ず理由がある。『君の名は。』もその例に漏れなく、売れるべくして売れる作品だったのかもしれない。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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