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雨宮寛二「新・IT革命」

アマゾン音声認識、子どもが1万円以上クッキー注文事故…AIの脆弱性と革新性と衝撃度

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「Thinkstock」より

 新たな技術の誕生は、企業のビジネスモデルを変革し革新的な製品やサービスを生み出す機会を広げてくれる。その意味で有望視されているのが、人工知能(AI)である。世界のAI関連市場が2025年には318兆円になるとの予測もある。

 この大きな市場をめぐり、グローバルレベルの競争はますます激しくなるばかりである。とりわけ先行しているのが、米国である。AIを伴う次世代技術をめぐっては、たとえば自動運転車開発にみられるように、従来産業に従事する既存企業だけでなく、異業種からも強力な競合が参画し、スピーディな経営判断で次々と開発を進めている。最近では、欧州や中国の企業もこれに続く。

『アップル、アマゾン、グーグルのイノベーション戦略』(雨宮寛二/エヌティティ出版)
 日本でも、効率性や生産性の向上を目指してAIを積極的に取り入れる企業が多くなっている。たとえば、オフィスに必要なモノやサービスを「明日お届けする」を標榜するアスクルは、物流センターの自動化で先行する米アマゾンを追撃する動きを見せている。AIやロボットを導入し、物流拠点の大規模な運用改善を積極的に進めている。昨年5月には、40億円を投じた物流センターを横浜で稼働させ、今年中には、これまでの最大規模となる物流センターを大阪で稼働させる意向である。

 アスクルのケースでは、従来の課題である宅配不在率の低減を図るためのAI導入を進めているのが特徴的である。それは、天候や交通状況などの外部データと配送管理システムなどの内部データをAI技術で分析し、到着時刻の精度を向上させる取り組みである。

 特にビッグデータの解析においては、日立製作所の技術が取り入れられている。早くから自前主義の考えを捨て、必要な技術やノウハウを積極的に外部から取り入れることで、環境の変化やスピード競争に対応できる基盤をつくり上げる意向である。

 こうしたケースが示すように、効率性や生産性を追求するうえで、AIの活用は今後も欠かすことができない。

Amazon Echo Dot


 一方で、AIを過信するのも禁物である。最近米国で、アマゾンのAI「Alexa」を搭載したスピーカー型音声アシスタント機能「Amazon Echo Dot」が引き起こした騒動がそれを物語っている。テキサス州ダラスに住む6歳の少女が、親のAmazon Echo Dotを使い、160ドル(約1万8000円)もするドールハウスとクッキー(約1.8キロ缶)を注文した。