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「傲慢」医師たちの生態…若い頃から「先生」と崇拝され、毎年数十億円の不正生む

文=吉澤恵理/薬剤師

モラルなき医師を生み出す社会

 モラルなき医師を生む一番の理由は、社会が医師崇拝の傾向にあることだと思います。医学部を卒業し、24歳前後で医師になった時から「先生」と呼ばれ、医師がトップとして機能する医療機関で働いているうちに「医師である自分は万能だ」という傲慢さを持ってしまうのでしょう。私が過去に遭遇したモラルのない医師のなかには、処方箋を応需している薬局から自分の薬をタダで受け取っている人がいました。こんなことは、絶対にあってはなりません。なぜなら、医師は薬を無料でもらう代償として、患者を優先的にその薬局へ誘導する可能性があります。これは不正行為といえます。そのような医師は、崇拝どころか尊敬にも値しないと思います。

 現在、多くの病院やクリニックでは、患者に質の高い医療を提供できるよう医師、スタッフの意識改革や教育がなされています。地域のクリニックでは、医師はかかりつけ医として患者に寄り添う医療を目指し、大きな病院ではセカンドオピニオン外来を設けるなど患者が納得のいく治療を選択できるよう取り組んでいます。そのような流れの先には、患者が医師を選ぶ時代がやってくるでしょう。患者が医師を選ぶのが当たり前となり、モラルのない医師が淘汰される社会になることを望みます。
(文=吉澤恵理/薬剤師)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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