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中国でさえやっていない科学論文の検閲を公言

トランプ大統領、ついに科学を否定…環境データ発表前に全検閲、太陽系の全惑星を有人探査

文=深笛義也/ライター
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人類がより宇宙の遥かまで旅するというのは、それ自体は夢のある話だ。

「今世紀中に太陽系の果てまで行くというのは、技術的に無理です。2030年代までにやれることは、火星を周回するということぐらい。30年代というのは、月に基地ができて南極越冬隊みたいに長期滞在になっていくという時代でしょう。火星に行くというのは、月みたいにすぐに帰って来られないので、さまざまな問題をクリアしなくてはなりません。

 まず、太陽を回る地球と火星の位置の関係から、打ち上げのウィンドウ(適切な時間帯)は2年に1回しか訪れません。帰りのウィンドウも2年に1回しかない。行きと帰りに7~8カ月、滞在が約1年として、だいたい3年のミッションになります。月なら往復3~4日で行けますが、火星はそうはいきません。自給自足で生きていける永住的な施設や、病人が出ても治療できる環境を整備する必要があります。それができるのが、40年代か50年代でしょう。木星や土星だと、行くだけで3~5年かかるわけで、10年くらいのミッションになる。今世紀中には無理でしょう」

「偉大なアメリカ」と矛盾

 トランプは保健福祉長官に、ジョージア州選出下院議員の整形外科医トム・プライスを選ぶ人事を発表している。プライスはオバマケア反対の先頭に立って議会活動をしてきた。オバマ政権がゲノム、がん、脳などの生命科学研究に積極的だったことに対して、下院議員としてプライスは、これらの予算拡大に一貫して反対してきた。

「生命関係でいうと、キリスト教右派に代表されるようなアメリカにある一つの傾向で、ドラスティックに生命を操作するような研究に否定的な人が多いのです。その一つがES細胞で、これは人間の受精卵からつくるという倫理的な問題がもともとあったわけです。2代前のブッシュ政権時には、連邦予算でES細胞の研究をするのは止められましたが、それがオバマ政権移行後に解禁された。それをまた元に戻そうという動きです。

 しかし、ES細胞の研究は、アメリカでものすごく進んでおり、今や世界一。トランプが言っている『偉大なアメリカ』の一つです。確かにこうした研究は、生命の操作につながる領域にまで踏み込んでいく可能性はあります。そういう倫理的な問題を一つ一つクリアしながら研究は進んでいるわけで、すべてをストップするとなると、アメリカの科学は遅れてしまいかねない。アメリカの医療ビジネスにも影響してくるでしょうね」

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