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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

カロリー偏重の栄養計算はナンセンス…厚労省推奨の食事もバランスがメチャクチャ!

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 そのようなN/Cレートの高い食品のなかから、私たちに必要な必須栄養素と植物栄養素を、満遍なく過不足なく取り入れられるように工夫するのが本来の栄養士の仕事ですが、現状はそのような意味のある仕事はさせてもらえていません。そもそも、そのような考え方を教えられていないのです。

 なぜ、そういう重要なことを学校で教えないのかというと、教える側が自分の学んできた古い栄養学を錦の御旗のように掲げ続けているからです。栄養士や、管理栄養士になろうとする人たちも、最初は無知です。その無知な人たちにとっては、学校で教えられることがすべてなのです。教えられたことを、そのまま真に受け、正しいと信じ続けている人も大勢います。

 どこかおかしいと思っていたとしても、学校を卒業してすぐに働き始める人がほとんどです。そんななかで、何かをきっかけに自分が学校で学んできたことが稚拙で、役に立たないものだということに気づく人がいます。

 本当に大事なことは、「炭水化物とたんぱく質が1グラム4キロカロリーで、すべての油は1グラム9キロカロリー」といった知識ではありません。炭水化物には単純炭水化物と複合炭水化物があり、そのうちのどちらが食べるに値するかを知ることのほうが重要です。また、ただたんぱく質を摂るのではなく、たんぱく質の原材料となるアミノ酸をどのようにして摂取するかを考えるほうが大切なのです。

 油はすべて同じカロリーだからといっても、どれを食べても同じではありません。どのような脂肪酸組成であるかが重要で、それを知ることによって、どの油を選択するかを決められるのです。

厚労省、農水省の推奨する食事はひどい

 このようなことを知った栄養士や管理栄養士たちのなかには、「こんな重要なことを知らなかったのか」と、一時的に失意のどん底に落ちてしまう人もいますが、もともと頭脳明晰な人たちなので、這い上がってきます。そうなったときは、強いです。

 そもそも、「食事を通じて人々を健康に導きたい」「食の大切さを多くの方々に伝えたい」という意欲を持って、栄養学を学ぶことを決意した人たちですから、今までの「何か変」「どこかおかしい」という疑問が払拭されれば、自分の本来のミッションをまっとうしようとします。これからますます、そういう人たちが増えることでしょう。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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