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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

「日本一おいしい○○」審査への根本的疑問…「本当においしい○○」が選ばれない構造的矛盾

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「Thinkstock」より

 日本一おいしい豆腐を決める「第2回全国豆腐品評会」が2016年10月15~16日、熊本で開催され、筆者も参加させていただきました。総参加事業者数は299社、出品総数は671点にも上っています。北は北海道から南は沖縄まで、6つの地区予選において「木綿」「絹ごし」「寄せ・おぼろ」「充填」の4部門で3位までに入賞した豆腐を中心として、決勝の地である熊本に78社107点の豆腐が出品されました。農林水産大臣などを歴任した参議院議員の林芳正氏らも来賓に名を連ね、大変大掛かりで豪華なイベントでした。

 107点の豆腐が机に並べられている光景は大変迫力がありました。豆腐に関して、なんの知識もない筆者は単なる一般参加であり、審査員などではありません。しかし、この品評会では出品された豆腐を全員が試食できます。筆者も、豆腐メーカーの方と一緒にすべての豆腐を試食しました。

『すごい差別化戦略』(大崎孝徳/日本実業出版社)
 多くのほかの食品同様、趣向を凝らしたネーミングやパッケージ、独自の製法、こだわりの素材など、各豆腐とも、それぞれ差別化を図ろうとしていることが窺えました。しかし、「豆腐は豆腐であって、強いていえばできたてがおいしい程度で、味には大差はないだろう」と、試食する前は疑っている部分もありました。

 ところが実際に試食してみると、見事に商品ごとに差がありました。甘い、濃い、薄い、柔らかい、固いなどの違いに加え、見た目も真っ白、黄色っぽい、緑っぽいなど、実にさまざまでした。試食会前のあいさつで審査員の方が「商品により味が違うことはわかる、問題はどう数値化し、評価するかだ」と言っていましたが、まさにその通りであると感じました。

 実際の試食は醤油など一切かけず、豆腐をスプーンですくってそのまま食すという方法でした。107点もの豆腐があるため、1点につき、ほんの少ししか食べることはできません。食べるというよりも、味見するという程度です。

インパクトの強さで大賞が決まる?


 すべての豆腐の試食を終えて感じたことは、インパクトの強い豆腐が高い評価になるのではないかということでした。専門家ではない筆者の舌は信用に足りませんが、行動を共にしていた豆腐メーカーの方も同じ印象を持っていました。

「インパクトが強い商品の評価が高いのは当然だ」という意見もあるかもしれませんが、たとえば、濃い味の豆腐は、少しだけ食べた場合にはおいしく感じても、普通に一人前の量を食べた場合には途中で飽きてしまうかもしれません。また、豆腐の味が強すぎると醤油などと喧嘩してしまう可能性もあります。

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