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タクシー初乗り410円は「実質値上げ」だった!長距離ほど損、狙いはUber潰し?

文=後藤豊/フリーライター
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東京以外では410円タクシーが導入されない?

 さて、私は千葉県某市でタクシー運転手としても働いている。会社の同僚は「千葉にも新運賃が導入されるのでは?」と戦々恐々としているが、千葉では確実に導入されない。

 なぜなら、東京都心部と異なり、流し営業などできないからだ。千葉の場合、乗客を乗せる場所は「駅」「病院」「ホテル」の3カ所が主だ。これに無線営業が加わり、1日当たりの「流し客数」は平均25人のうち1人いるかいないかである。しかも、そのほとんどが「自分の金」で乗る客だ。

 加えて、松戸市や浦安市、市川市、船橋市などの都市部では、路線バスが充実している。バスの料金が200円前後である以上、410円でも高いと感じるはずで、バス利用客の鞍替えが大きく増えるとは考えにくい。

 また、駅から家まで1km程度の人が乗るのは「雨の日」で、ザーザー降りになるほど駅のタクシー乗り場は長蛇の列となるが、こうした悪天候時は「放っておいても乗ってくれる」ため、現行の運賃を下げる必要もない。

 つまり、業界全体の売り上げが確実に減るようなシステムを、わざわざ導入する理由はないということだ。強いて言えば、可能性があるのは流し営業もできる神奈川県横浜市だが、やはり可能性は低いと思われる。

「実質値上げ」410円タクシーで損することも

 タクシーはそれぞれ営業区域が決められており、区域外営業は禁止されているが、発着地のいずれかが区域内であれば問題ない。

 たとえば、千葉のタクシーが乗客を東京都内まで乗せ、その帰りに手が挙がって停められた場合、通常は「千葉に行く客」なら乗せてもいいわけだ。しかし、初乗り410円は都内のタクシーに限った話であり、千葉のタクシーは適用外のため、乗客とのトラブルの原因にもなりかねない。実際、運転手はどう対応しているのか。

【パターン1 回送表示に切り替えて無視する】

 これは、多くの運転手が実行している。なぜなら、千葉のタクシー運転手の多くは流し営業のテクニックを知らない上、知らない場所や道は怖い。そのため、自分のエリアに一目散に帰るのだ。

【パターン2 最初に断りを入れる】

 たとえば、千葉県に通じる京葉道路や蔵前橋通り、水戸街道などの下り車線で手が挙がった場合に「410円ではありませんが、よろしいでしょうか?」と断りを入れる運転手がいる。これは、「410円だと思ったのに……」というトラブルを事前に防ぐためだ。

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